品詞の見分け方 国語文法 述語をつくる品詞
述語をつくる品詞
述語をつくる品詞は、動詞(動作・作用・存在)、形容詞(心情・性質・状態)、形容動詞(性質・状態)、名詞(事物)+助動詞です。
動詞・形容詞・形容動詞・名詞の見分け方
〇動詞=言い切り(辞書に載っている形)がウ段(う・く・す・つ・ぬ・ふ・む・ゆ・る)で終わる。
〇形容詞=「~い」とはいえるが、「~だ」、「~は」とはいえない。
〇形容動詞=「~だ」、「~な」といえるが、「~は」、「~の」とはいえない。
〇名詞=「~は」、「~だ」、「~の」とはいえるが、「~な」とはいえない。
例
「小さい」→「小さいだ」、「小さいは」とはいえない→「小さい」は形容詞
「きれい」→「きれいだ」、「きれいな」とはいえるが、「きれいは」、「きれいの」とはいえない→「きれい」は、形容動詞(の一部、語幹)
「社長」→「社長は」、「社長だ」、「社長の」とはいえるが、「社長な」とはいえない→「社長」は名詞
形容詞、形容動詞が名詞を修飾する形
〇形容詞は、名詞を修飾する場合、必ず「~い」の形になります。
〇形容動詞は、名詞を修飾する場合、必ず「~な」の形になります。
例
大きい家→「大きい」は形容詞
変な家→「変な」は「変だ」といえる→形容動詞
※ 「大きい」と「大きな」は、異なる品詞です。
「大きい」は、形容詞です。
「大きな」は、連体詞です。
大きな家→「大きな」は「大きだ」とはいえない→連体詞
連体詞は活用のない品詞ですから、語尾変化しません。(連体詞は、体言【=名詞・代名詞】のみを修飾します。)
述語の助詞、助動詞
動詞、形容詞、形容動詞は、それぞれ単独でも述語になります。これを称して、用言(ようげん)といいます。
もちろん、動詞、形容詞、形容動詞は、助動詞や助詞をともなっても、述語をつくります。
※スマホを横向きにしてご覧ください
例
銀太郎が、笑う。(「笑う」【動詞】=述語)
銀太郎は、笑ったか。(「笑っ」【動詞】+「た」【助動詞】+か【助詞】=述語)
これに対し、名詞は単独で述語にはなりません。必ず付属語をともなって、述語になります。
例
銀太郎が、先生です。 (先生【名詞】+です【助動詞】=述語)
銀太郎は、犬だったのでしょうか。 (犬【名詞】+だっ【助動詞】+た【助動詞】+の【助詞】+でしょ【助動詞】+う【助動詞】+か【助詞】=述語)
文が連なる文章となると、述語は、動詞、形容詞、形容動詞の単独という形はほとんどありません。助動詞や助詞をともなって書かれます。
述語を確認する場合は、句点(。)の直前から、動き、存在、心情、状態、性質、事物(出来事や人や物の名前等)の意味、それらのいずれかのところまでさかのぼるようにしましょう。動詞には、補助動詞というものがあるからです。
補助動詞
述語には、「動詞+て+動詞」という形もあるので注意してください。
これは、「(本)動詞+て+(補助)動詞」という形です。
「て」の上の動詞が述語の主たる意味で、「て」の下の動詞はそれを補助しているというものです。
※スマホを横向きにしてご覧ください
例
私は、笑っていよう。「笑っ」【動詞】+「て」【助詞】+「い」【動詞】+「よう」【助動詞】=述語)
銀太郎は、にやけてしまった。 (「にやけ」【動詞】+「て」【助詞】+「しまっ」【動詞】+「た」【助動詞】=述語)
複合動詞
複数の語が合体してできた動詞を、複合動詞といいます。
「する」という動詞は、様様な語と合体し、「~する」という形で、複合動詞をつくります。
複合動詞は、もちろん、動詞です。
「する」の直前の語に、動作、作用の意味が加わることになります。
「作用」とは、働く力であり、その場の相互間に生じる影響です。
例
合格する → 「合格」は本来、名詞だが、「合格する」は(複合)動詞 → 「合格」に作用が加わっている。
きらきらする → 「きらきら」は本来、副詞だが、「きらきらする」は(複合)動詞 → 「きらきら」に作用が加わっている。
品詞の理解と単語の意味の理解が、文章の理解につながる
品詞を見分けられなければ、品詞を理解しているとはいえません。
その理解があってこそ、単語の意味の理解は深まります。
文章の意味・内容も深く理解できます。