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現代文〈評論〉の読み方 サンプル

拙著「現代文〈小説〉の読み方」のサンプルです。

縦書きのものを、ここでは横書きにしています。

評論 第4問〈解説・チェック《実践編》〉

※問1の漢字問題のカタカナは、〈解説・チェック〉中では、漢字表記にしています。

わたしは思い出す。しばらく前に訪れた高齢者用のグル((注1))ープホームのことを(思い出す)

○倒置法(「思い出す」を強調 → 思い出す内容を強調)

→「しばらく前に訪れた高齢者用のグループホームのこと」→問2                                                                       

○問2の設問文に「高齢者用のグループホーム」の文字はありません。

○問2選択肢にも、「高齢者用のグループホーム」と記した選択肢は一つもありません。

→「高齢者用のグループホーム」と結びつくキー・ポイントの語が記されているはず、とイメージします→書き出しと結びのバランスのイメージから、問6、という意識も併せ持ちましょう。必ずその場のキー・ポイントは設問・答になります。

◎省略は自分で補いましょう。→問2・問6

   ↓○「指示語+キー」・「主部」の形で補えます。→前文と同じキー・ポイント、ということです。

   ↓○「高齢者用のグループホーム」についての(具体的な)説明が始まります。

(その高齢者用のグループホームは、)住むひとのいなくなった木造の民家をほとんど改修もせずに使うデイ((注2))・サーヴィスの施設だった。(その高齢者用のグループホームは)もちろん(━━━━━━━━)「バリアフリー」から

=強調の副助詞 ○強調表現は設問になります→「高齢者用のグループホーム」が、

↓          「木造の民家をほとんど改修もしていない」「施設」であること→問2・問6 

↓「ほど」=程度の強調 

↓ ↓ 

ほど遠い。(その「高齢者用のグループホーム」の)玄関の前には石段があり、玄関の戸を引くと、玄関間がある。靴を脱いで、よいしょと家に上がると、こんどは(ふすま)それ(━━━━)を開けてみなが(つど)っている居間に入る。軽い「認知症」を患っている(「高齢者用のグループホーム」の)その(━━━━)女性(じょせい)、お菓子を前におしゃべりに興じている老人たちの輪にすぐには入れず(~~~)呆然(ぼうぜん)立ちつくす(~~~~~~~~~~)、なんとなくいたたまれず(~~)(~~)(~~)しゃがみかける(~~~~~~~~~~~~~~)。 

○「高齢者用のグループホーム」の居住空間・「高齢者用のグループホーム」の「人間」について、記しています→問2選択肢のすべてに「空間」と「人間」があります。

○省略されているキー「高齢者用のグループホーム」と「その女性」が結びつき、ミクロ的キーになったのがわかります。

○逆接の接続詞「」を挟んで「高齢者用のグループホーム」の「女性」の動作(~~~~)が対照的に記されています。(この「が」は、文頭ですから、「接続詞」です。「(接続)助詞」ではありません)。

(すると)               ○「その女性」と「(他人の)手」が同じ位置になります。

とっさに「どうぞ」と((注3))いざり(~~~~~~)ながら、     ∥

じぶんが使っていた座布団を差し出す(~~~~~~~~)(【他】人の)(━━)伸びる(~~~~~~)

「おかまいなく」と(「その女性」が)座布団を押し戻し(~~~~~~~~)

((注)(4))うておすな。遠慮せんといっしょにお座りやす」とふたたび(【他人】の手により)座布団(━━━━━━)押し戻される(~~~~~~~~~~~~~~)……。

   ○「高齢者用のグループホーム」の「和室」の「居間」です。

    ↓     ○「高齢者用のグループホーム」(「施設」)の「(その)女性」の「動作」です。

    ↓       ↓

和室の居間で立った(~~~~~~)まま(~~~~)いる(~~~~)ことは「不自然」である。

「不自然」であるのは、いうまでもなく、人体にとってではない。

○「A」というB = Bがポイント・Aが具体例の位置

 ||    ポイント =「空間」→ 問2

「居間」という空間(━━━━)においてである。  ↓

                 ○「空間」というキーは、問2の選択肢すべてにあります。

       ○擬人法で「居間という空間」を強調→問2

        動作主

        主語   「立ち居ふるまい」              

        ↓       ↓                「不自然」

「居間」という空間(━━━━)もとめる(~~~~~~~~)挙措の「風」に、立ったままでいることは合わない。

     他人                               「不自然」

高みから他のひとたちを見下ろす(~~~~~~~~)ことは(「居間という空間がもとめる挙措の」)「風」に反する。

だから、

(ひとは【「その女性は」】)いたたまれなくなって、(「居間という空間」に)(━━━)下ろす(~~~~~~)

○「こ」で始まる指示語ですから、前に具体例内容、後にポイント、まとめ、という形をとります。

↓ ポイント(位置)内容は、「からだで憶えているふるまい」です。→問2

↓  身体                    動作・動き   

これ(━━━━)はからだで憶えている(「居間という空間」での)ふるまいである。

問2 ①   身体~身体~、~身体~。

   ②   ~ 記憶を蓄積してきた身体は、~、身体~。

   ③ × ~身体~、動作の記憶を忘れ去ることで、~身体~。

   ④ × ~身体~、~、身体~ふるまいを自発的に選択できている~。

   ⑤   ~身体~、~身体~みずからの身体の記憶~ふるまい~。

     自然に    「風」 「空間がもとめる挙措の『風』」  

      ↓      ↓      

からだはひとりでそんなふう(━━━━━━━━━━)に(「空間」で)動いてしまう。 

からだ(A━━━━━)(━━)(━━)なかにある」という(━━━━)(━━)そう(━━━━)いう(━━━━)こと(━━━━)(━━)

(つまり)

  身体      

  ↓                       

「からだの動きが、『空間』との関係で」、ということは

問2 ① ~ ~。

   ② ~ ~ 。

   ③ ~ ~ 。

   ④ ~ ~ 。

   ⑤ ~その空間にいるひとびとと互いに関係し~。

「(同じく)そこの空間(にいる他のひとびととの関係で)」

       ||             「自然な『風』」(に)  

    ○「指示語+キー」→問2      「自然な『形』」(に)

       ↓                ↓

「同じくそこ(━━━━)いる(━━━━)(━━)ひとびと(━━━━━━━━)との関係で、ある(━━━━)形に整えられている」ということだ。

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