短文を書く、という落とし穴  

文中の接続は、助詞がつくる

 一文中での、意味と意味をつなぐものは、助詞です。

 接続の助詞です。

 接続助詞は、目立たないので、多くの人に見落とされがちです。

 でも、文章を読む上でも、文章を書く上でも、大変、重要な存在です。

 ここでは、条件と結果の例をあげて、接続助詞の重要性を確認し、短文を書くことの落とし穴について記します。

(因果関係について、前に触れていますしね。そして、昨今、短文を書くことばかりが推奨されているので。)

複文をつくる接続助詞

条件と結果を一文の形で書くのは、複文の書き方の一つです。

この書き方は、まず条件の意味をつくってから、次の結果の意味につなげます。

※複文とは、主述の関係が二組以上で、それぞれの主述の意味が何らかの関係性を持っているものをいいます。

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条件と結果の複文を、接続助詞を使ってつくってみましょう。

例文

 飛行場ができると、町は潤(うるお)う。

 上の例文では、「と」が接続の助詞です。

 一文全体の主たる述語は、「潤う」です。

 その主語は、「町は」です。

 これらは、一文の中で主たる意味の文節となっていますから、主節といいます。

 それに対して、「飛行場ができると」は、主節に従っている文節なので、従属節といいます。

(従属節の中だけで見ると「できる」が述語の意で、「飛行場が」が主語の意ですね。)

 文全体から見ると、「飛行場ができると」が、条件の意になっています。

文中の因果を読むということは、接続助詞を確認するということ

結果 ━━ 町は潤う

条件 ━━ 飛行場ができると

「町は潤う」を結果の意味にしているのは、「飛行場ができると」という意味があるからです。

 なぜ、そういえるのかというと、「と」という接続の助詞があるからです。

「飛行場ができる」という意味と「町は潤う」を、条件と結果の関係にしているのは、「と」という接続助詞なんです。

 因果という関係性を示しているのは、「と」なんです。

 これは、読む側からの視点です。

自身の考えを書くには、助詞を知らねばならない

 次に、書く側からの視点で、この例文を掘り下げてみましょう。

 二つの事象を確認します。

「飛行場ができる」、「町が潤う」です。

 これは、それぞれの事象です。

 だから、「町は」ではなく、「町が」です。

「飛行場ができる」ことと、「町」に関係性がある、と書き手が考えた場合に、「町は」となります。

 書き手の考えを表すのは、助詞なんです。

 助詞は、書き手の思考そのもので、書き手の存在そのものなんです。

 だから、二つの事象を結びつけて、そこに関係性をつくるのは、書き手なんです。書き手の思考によって、文の関係性は生まれます。

(さらにいえば、因果を追究する力が、書き手になければ、とんでもない文章になるわけです。)

短文を書く、という落とし穴

 試しに、二つの事象を、二文で記してみましょう。

 飛行場ができる。

 町が潤う。

 もちろん、読めるわけですが、文と文の関係性が見えにくい。弱い。

 なぜか、といえば、二文だからです。

 行間の意味が生じるんです。

 もちろん、余情をだすために、意図的に、行間の意味をつくりだしたい、というのであれば、大成功です。

 逆に、自身の考えを明確に示したい、というのであれば、大失敗です。

 読み手によって、さまざまな解釈がされてしまうからです。 

 自分の考えを明確に示したい場合は、行間の意味はつくらないほうがいいんです。

 短文を連続させると、行間の意味が次次に生まれます。

 短文ばかりの説明がわかりずらく感じるのは、これが起因しています。

 短文はわかやすいとばかりはいえないんです。

接続助詞を扱える力を持つ 

幼い子どもの文章は、短文ばかりです。

短文ばかりの文章では、説明にも、表現にも限界があります。 

短文ばかりの文章にはしないことです。

そこで必要になってくるのは、接続助詞を扱う力です。

接続助詞は、意味と意味の関係性をつくり、つないでいく言葉だからです。

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