八代集 まとめ 勅撰和歌集と歌謡・歌論の基本
八代集 勅撰和歌集
八代集
八代集 → 平安前期から鎌倉初期までの八つの勅撰和歌集
古今集
後撰集
拾遺集
後拾遺集
金葉集
詞花集(しかしゅう)
千載集(せんざいしゅう)
新古今集
覚え方はこちらをどうぞ → 三大和歌集 万葉集、古今和歌集、新古今和歌集の比較 三代集・八代集の覚え方
勅撰和歌集
勅撰和歌集 → 天皇や院の命令から成る歌集
天皇の命令 → 勅命(ちょくめい)
院司が上皇や法皇の命令を受けて出す公文書 → 院宣(いんぜん)
三代集
三代集 → 勅撰の歌集 → 古今集・後撰集・拾遺集
三大集 → 万葉集・古今集・新古今集
二十一代集
八代集とその後の十三の勅撰和歌集(十三代集)をあわせて、「二十一代集」といいます。
十三代集
新勅撰集
続後撰集
続古今集
続拾遺集
新後撰集
玉葉集
続千載集
続後拾遺集
風雅集
新千載集
新拾遺集
新後拾遺集
新続古今集
八代集 撰者
次に、八代集それぞれの、代表的撰者とされている人物をあげます。
古今集 → 紀貫之・紀友則・凡河内躬恒(おおしこうちのみつね)・壬生忠岑(みぶのただみね)
後撰集 → 梨壺(なしつぼ)の五人
→ 宮中梨壺につくられた和歌所の五人の寄人(よりうど)
→ 大中臣能宣(おおなかとみのよしのぶ)・清原元輔(もとすけ)・源順(したごう)・紀時文(ときぶみ)・坂上望城(もちき)
拾遺集 → 花山院(かざんいん)(・藤原長能・源道済)
拾遺集 → 藤原通俊
金葉集 → 源俊頼
詞花集 → 藤原顕輔(あきすけ)
千載集 → 藤原俊成
新古今集 → 藤原定家・藤原家隆・源通具・六条有家・飛鳥井雅経・寂蓮
古今集 千載集 新古今集 大きな流れ
八代集の大きな流れを捉えておきましょう。
平安時代に撰集 → 「古今集」「後撰集」「拾遺集」「後拾遺集」「金葉集」「詞花集」「千載集」
鎌倉時代に撰集 → 「新古今集」
平安時代、10世紀頃、和歌は本格的になっていきます。
そうして、撰進されるのが、最初の勅撰集である「古今集」です。
※「撰進」とは、詩歌や文章をつくったり、集めたりしたものを、天皇・上皇に奉ることをいいます。
平安時代の末期に撰進されるのが、「千載集」です。
鎌倉時代に入って撰進されるのが、「新古今集」です。
千載集 藤原俊成
後白河院の命により、撰集されたのが「千載集」です。
この「千載集」は、藤原俊成ひとりによって、撰集されます。
最初の勅撰集である「古今集」が、紀貫之・紀友則・凡河内躬恒(おおしこうちのみつね)・壬生忠岑(みぶのただみね)といった複数の歌人によって撰集されたのと大きく異なります。
「千載集」は、「幽玄(ゆうげん)」の世界を開き、中世和歌の起点となる歌集です。
この「幽玄」が、「新古今集」に引き継がれていくこととなります。
「幽玄」については、こちらをどうぞ → 三大和歌集 万葉集、古今和歌集、新古今和歌集の比較 三代集・八代集の覚え方
さらには、こちらも → 芭蕉の作品と「俳句」と「発句」と「俳諧の連歌」の基礎知識
※後白河院は、「今様(いまよう)という平安後期に流行した歌謡を集めた「梁塵秘抄(りょうじんひしょう)」の撰者でもあります。
歌論
平安時代の代表的な歌論には、次のようなものがあります。
「古今集」の仮名序 → 紀貫之
「俊頼髄脳(ずいのう)」 → 源俊頼
「袋草子(ふくろぞうし)」 → 藤原清輔
「古来風体抄(こらいふうていしょう)」 → 藤原俊成
歌謡
平安時代の歌謡
初期
神楽歌(かぐらうた)・催馬楽(さいばら)・風俗歌(ふうぞくうた)・東遊歌(あずまあそびうた)
中期以降
朗詠(ろうえい)・今様(いまよう)・和讃(わさん)
藤原公任
藤原公任(きんとう)
平安時代中期の歌人で、四条大納言とも呼ばれる。
諸芸に優れ、「和漢朗詠集」「新撰髄脳」といった著作があります。
今様
「今様」とは、平安時代中期から起こり、末期まで流行した民間新歌謡。
七五調の長短四句形式のものが多い。
民間ばかりでなく、貴族社会にも流行し、後白河院の撰による「梁塵秘抄(りょうじんひしょう)」は、今様の集大成といえます。
山家集
「山家集(さんかしゅう)」 ……西行の私家集
西行は、仏教的世界観を軸に、自然や述懐を多く詠みました。
※「私家集」・「家集」とは、個人の歌を集めた歌集のこと。