アイデンティティー 映画 世界とは、自分自身が作り出しているもの
このカテゴリーは、一切、ネタバレ無し!
あらすじも記していません。
映画は、予備知識なんてないほうが、楽しめます。
世界とは自分自身が作り出しているもの
ミクロ、マクロ、重層的に、きちんと完成された映画です。
実にうまいです。
ミクロ、マクロの世界は、三千大千世界、マトリョーシカ、コスモロジーです。
世界は、自身よりも大きな世界に包まれ、また自身の中に、自身よりも小さな世界を包み持っている。
一つの意味を完成させれば、一つの世界が成り立ちます。
一つひとつのミクロの意味を完成させれれば、マクロの意味が完成していきます。
この映画、マクロとミクロの世界の構成がいいんです!
うまいつくりをしています。
ミステリーは、どれだけ破綻のないお話にできるかが勝負ですからね。
タイトルのつけ方
タイトルもいいですね。
こういうタイトルのつけ方が、僕は好きです。
行間です。
文芸的です。
コンピュータプログラム的ではないということです。
ビジネス書の見出しにしても、ブログの書き方にしても、コンピュータプログラムに振り回される人間は、まさにコンピュータプログラムに生かされてしまう人間になります。
そこで、思考が磨かれることはありません。
考える力
人間は、自分で考える力を持たなければいけません。磨かなければいけません。
考える力って、磨かなければ、ずっと眠ったままなんですよね。
本のタイトル
ちなみに、本のタイトルというのは、かなりの売れっ子作家は別として、多くの場合、出版社がタイトル会議をして、つけるものです。
僕の本も、すべて、出版社がつけました。
思うところは、いろいろありますが、おまかせするしかありません。
ひとつの脳の描く世界
とにもかくにも、「アイデンティティー」、タイトルだけでなく、中身も、抜群にいい映画です。
世界は、人の脳がつくりますから、そこをうまく描いた作品です。
脳がつくりだす世界は、いかようにも作れますものね。
ジョン・キューザック レイ・リオッタ
ジョン・キューザックに、レイ・リオッタ、という演技派が、この作品でも生きています。
日常の恐怖は、身近で「いい顔」をしている人間が「悪の顔」を覗かせるところにあるんですよね。
ジョン・キューザックも、レイ・リオッタも、そんな人間をうまく演じられる役者です。
一つの世界が、いくつもの世界をつくりだしている
映画「アイデンティティー」、一つの世界が、いくつもの世界をつくりだしている、大変おもしろい作品です。
見終わってから、「アイデンティティー」というタイトルのうまさをまた感じられます。
本当に、お話の最後まで、よくつくられている作品ですよ。
それって、ほっとため息をつくことを許さないってことです。
「アイデンティティー」、とても優れたエンターテインメント作品です。
※実は、この監督、X-Menシリーズでは、かなりがっかりさせられるんですが……。 → X-MEN シリーズ 魅力あるキャラクター 脚本の力