文章の構成 基本の型から、文の構成も理解できる
ポイントとは書き手の視点 文章構成の基本
書き方には、ポイントをわかりやすく訴える、感動的に訴えるという書き方の基本があります。
文章構成です。
代表的なものは次の三つです。
ポイント → 例 → ポイント
ポイント → 例
例 → ポイント
これは、意味・内容が完成する基本の型といえます。
意味・内容の完成形は、その書き方、内容によって、分厚い一冊の本だったり、A4用紙一枚に記された文章だったり、たった一文だったり、そのボリュームは様々です。
マクロとミクロの構成
文章全体が基本の型で書かれているということは、その中の一部も基本の型で書かれているということです。
つまり、基本の型で書かれているボリュームある文章中のある部分を抜き出し、その一部を「すべて」として分析してみれば、そこもやはり基本の型の書き方になっているということです。
たとえば、文章全体は、「例→ポイント」の構成で、ある一部は「ポイント→例→ポイント」、またある一部は「ポイント→例」の書き方をしている、というような具合です。
マクロの構成は、ミクロの構成です。
一部が壊れていては、全体の完成にはならないからです。完成された作品は、パーツも完成しているのです。マクロ、ミクロは表裏一体の関係なのです。
試験の読解問題等で、ある本から文章の一部が抜粋(ばっすい)されて出題されたりしますが、これは意味・内容のマクロ、ミクロの完成形の文章の考えに則(のっと)ってのものです。
だから、書き方、内容が破綻(はたん)している文章は読解問題等では使用されないんです。
客観的で論理的な問題と答えを作れないからです。
構成とは完成の形
意味の破綻のない文章がその一つの形で完成しているように、一文だけで意味の完成形をつくるということは可能です。
構成とは、完成形なんです。
読解力があれば、その完成形を、ありのままに捉え、理解することができるわけです。
対して、読解力がなければ、完成の「形」というものを、ありのままに捉えられない。完成の「形」を壊して、理解しようとする。自分勝手な解釈とは、それです。
読み方を知り、意味の破綻のない文章を数多く読むのと、読み方を知らずに、意味の破綻している文章ばかりを読むのとでは、大きな力の差が生じるのは至極当然のことなんです。
文章の構成、文の構成
あるいは、文章の構成に対して、文の構成がピンとこない、という人もいるかもしれません。
具体的に、説明していきましょう。
次に示すそれぞれの例文は、一文だけで意味・内容のすべてが完成しています。
この一文だけで意味が成り立っているということです。
だから、この文の前後には、何もありません。
記す必要もありません。
そういう一文です。
一文のポイントとは、主語・述語です。
「ポイント→例→ポイント」の構成
例1
私は、昨夜スポーツジムに行って、マシンに、プールにと身体を痛めつけられるだけ
痛めつけ、今朝(けさ)綿のように疲れていた。
「ポイント→例」の構成
例2
私が今朝(けさ)綿のように疲れていたのは、昨夜スポーツジムに行って、マシンに、プールにと身体を痛めつけられるだけ痛めつけたからだ。
「今朝私は綿のように疲れていた」、というのも、昨夜スポーツジムに行って、マシンに、プールにと身体を痛めつけられるだけ痛めつけたからだ。
「例→ポイント」の構成
例3
昨夜スポーツジムに行って、マシンに、プールにと身体を痛めつけられるだけ痛めつけ、今朝私は綿のように疲れていた。
文の構成の確認
構成を確認しましょう。
上の例1~例3の文中で太字が「ポイント」の位置で、それ以外が「例」の位置です。
主語(題目「~は」)と述語が「ポイント」位置に記されていることに気づきますね。
主語(題目)と述語が意味の成立の形なんです。
(ピンとこない方は、カテゴリー「日本語 文法を基礎から読解、記述へ」どうぞ。基礎から記しています。→ サイトマップ
内容から説明すれば、最終的な結果が「ポイント」内容、その原因・理由が「例」内容です。
原因・理由は、具体的な説明、具体例説明のカテゴリーに入ります。
視点を変えて考えれば、原因・理由と結果を一まとまりとして、つまりそれらを一つの意味・内容と見ることも可能です。
そうすると、新たな文が生まれる可能性も出てくるわけです。
可能性とは、考えることです。
文章を「書く」とは、考えることです。
何をポイントとするのか、それは書き手です。
書き手の思考です。
ポイントとは書き手の視点です。
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