形容詞、形容動詞の活用 見分け方 品詞の識別
形容詞と形容動詞
形容詞と形容動詞の表す意味は同じです。性質、状態、心情を表します。
形容詞と形容動詞の違いは、活用の違いです。
形容詞
形容詞の言いきりの形は、「~い」です。
例
美しい、暑い、寂しい、等等
形容動詞
形容動詞は、「~だ」、「~です」、「~な」と言えます。
例
変 → 変だ → 変です → 変な
妙 → 妙だ → 妙です → 妙な
形容詞と形容動詞の活用
動詞の活用は、未然形、連用形、終止形、連体形、仮定形、命令形、でした。
形容詞と形容動詞には、命令形がありません。
「ない」が接続するのは、動詞では未然形でした。
「ない」が接続するのは、形容詞、形容動詞では、「連用形」です。
形容詞の活用
※ スマホを横向きにしてご覧ください。
未然形 ━━ 連用形 ━━ 終止形 ━ 連体形 ━━ 仮定形
美しかろ(う)・ 美しかっ(た) ・ 美しい ・ 美しい(人)・ 美しけれ(ば)
美しく(なる)
美しく(ない)
※「う」、「た」、「ない」=助動詞、 「ば」=助詞
「なる」=動詞、 「人」=名詞
形容動詞の活用
※ スマホを横向きにしてご覧ください。
未然形 ━━ 連用形 ━━ 終止形 ━ 連体形 ━━ 仮定形
変だろ(う) ・ 変だっ(た)・ 変だ ・ 変な(天気)・ 変なら(ば)
変に(なる)
変で(ない)
※「う」、「た」、「ない」=助動詞、 「ば」=助詞
「なる」=動詞、 「天気」=名詞
動詞、形容詞、形容動詞の活用の基本
動詞の連用形の接続の基本として、「た・て・ます」を覚えましたね。
形容詞、形容動詞の連用形の接続の基本は、「た・なる・ない」と覚えましょう。
※ スマホを横向きにしてご覧ください
動詞、形容詞は、終止形と連体形が同じ形
動詞 → 彼が笑う。(笑う=終止形)
笑う人がいた。(笑う=連体形)
形容詞 → 海が美しい。(=終止形)
美しい海だった。(美しい=連体形)
形容動詞の終止形は「~だ」、「~です」、連体形は「~な」
形容動詞 → 天気が変だ。(変だ=終止形)
天気が変です。(変です=終止形/丁寧な形)
変な天気だ。(変な=連体形)
品詞の識別
品詞の基本内容は、カテゴリー「日本語 文法を基礎から読解、記述へ」の初回から記してきました。
ちょっと、ここで品詞の識別をしてみましょう。
問
次の品詞を答えてください。
① 大きい
② きれい
③ 多い
④ 大きな
⑤ それ
⑥ その
⑦ 些細な(ささいな)
⑧ 微笑(びしょう)
⑨ 微笑む(ほほえむ)
⑩ わずか
解答・解説は、このすぐ下です。

ここ ここ ↓
※スマホを横向きにしてご覧ください
解答・解説
① 大きい = 形容詞
→ 大きかろう → 大きかった → 大きくなる → 大きい犬 → 大きければ
② きれい = 形容動詞
→ きれいだ = きれいな
③ 多い = 形容詞
→ 多い参加者
④ 大きな = 連体詞
→ 活用しない → 体言のみを修飾 → 大きな犬
⑤ それ = 代名詞
→ 活用しない → それ(だ) → それ(が)= 主語の形になる
⑥ その = 連体詞
→ 活用しない → 主語の形にならない → その犬
⑦ 些細な(ささいな) = 形容動詞
→ 些細だ
⑧ 微笑(びしょう) = 名詞
→ 活用しない → 微笑(だ) → 微笑(が) =主語の形になる
⑨ 微笑む(ほほえむ) = 動詞
→ 微笑ま(ない)→ 微笑み(ます) → 微笑む(人) → 微笑め(ば) → 微笑め
〈 微笑ん(だ)・微笑ん(で)・微笑み(ます)=この連用形の基本型は、「だ・で・ます」〉
⑩ わずか = 形容動詞
→ わずかだ → わずかな
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