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語彙力 その意味と鍛え方 例文でやさしく 

#内容,#著作,#関係性

語彙力 意味を成り立たせる力

文章を書き、意味を成り立たせる際には、言葉をつないでいきますね。

その言葉と言葉をつなぐ作業には、ある力が必要になります。

語彙力です。

言葉には「相性」がある

言葉には、いわゆる「相性」と呼ぶべきものがあります。   

つなぐ際、適合するか、しないか。  

たとえば、論理的なものを説明する際に、「飛躍」という言葉は合いません。  

使うべきではない。   

そもそも、「論理」と「飛躍」では、「論理の飛躍」です。  

「論理の飛躍」とは、論理的でないという意味を表します。   

「論理」を謳(うた)う際、「飛躍」という言葉は適さないのです。

「論理的な読み方が身につく」「論理的な読解を理解する」「論理を知る」等々の表現が適当です。

(そもそも、タイトルには、長い修飾語句など、付【ふ】すべきではありません。)

さらに例をあげれば、「言葉の扱い方」という語句に「吟味」という言葉は適しません。  

「吟味」は、そもそも、詩歌を吟じ、味わうことですが、そこから、物事を詳しく調べ選ぶ意を派生させている言葉です。  

「『言葉の扱い方』を吟味すれば」なんて、語句として成り立ちません。 

「言葉を吟味する」が適した表現です。

語彙力とは、言葉を扱う力で、意味を成り立たせる力です。 

言葉と言葉の相性の理解です。

読む力と書く力

読む力は、書く力そのものです。     

「読み方」の理解がなければ、書けない。

「書き方」の理解がなければ、読めない。

そこには、語彙力があります。

語彙力を磨くには

語彙力がなければ、意味の破綻した文章ができあがります。

切り貼りのような言葉のつなぎ方を、「書く」とは、とてもいえません。 

語彙力を磨くには、意味の破綻した文章、スカスカの本など読まないことです。

何を読めばいいのか おすすめは「本物」の書き方をしているものを読む 

言葉と言葉の相性の理解は、関係性の理解

「文章を書く」とは、意味を成り立たせるということ。

文章を書く力は、意味を成り立たせる力です。

これは、言葉と言葉の「相性」の理解であり、言葉と言葉の「関係性」の理解です。

著作「ついざき式 本当の読解力を身につける50の方法」では、「関係性」という項目で、やさしく記しています。

その抜粋を、下に示します。(このサイト用に、手をいれています。)

語彙力 言葉と言葉の関係性の理解

二つ以上のものがあれば、そこに生まれるのが「関係性」です。

読解で、「関係性」を見るのは、少しも難しいことではありません。

同じとか、反対とか、そういうことを見られればいいんです。

漢字一字と漢字一字の「関係性」、語句と語句の「関係性」、一文と一文の「関係性」、一文と二文の「関係性」、一段落と最終段落の「関係性」等々。

「関係性」の成り立つものは、それぞれ、「バランス」が保たれています。

同じということでの「バランス」、あるいは、反対ということでの「バランス」のように。

もし、「バランス」が保たれていなければ、それは「関係性」がない、無関係ということです。

ゴジラにはゴジラの言葉があり シンデレラにはシンデレラの言葉がある

ゴジラには、ゴジラの言葉しか使えません。

シンデレラの言葉は、ゴジラには使えないんです。

これは、「ゴジラは、片方の『ガラスの靴』を残したまま、『カボチャの馬車』に向かって走った。」とは書けない、ということです。

「シンデレラのその小さな口から、『放射熱線』が出ました。」とは書けない、ということです。

これらの文は、「意味」が壊れています。言葉の「関係性」が壊れていて、「バランス」が崩れれています。

文は、「意味」、「内容」が整って、成り立ちます。

これは、「バランス」が整っているということです。

つまり、一文は、「バランス」のとれた文字が集まってできている、と言えるんです。

文字=意味=内容=形の「関係」も見えますね。

段落は、一見(いっけん)違う文字の組み合わせでつくられている一文が集まって、一つの段落をつくっているように見えますが、実は「バランス」のとれた文が集まって、一つの段落をつくっています。

文章で言えば、順接や逆接や転換の意味でつながっている段落同士が、絶妙(ぜつみょう)の「バランス」をとって、一つの文章をつくりあげている、というわけです。 

さらに例文をあげて説明しましょう。

「内容」の整った文=「形」の整った文=「バランス」のとれている文です。

「アアーン!」ゴジラは、大音声(だいおんじょう)あげて芝公園(しばこうえん)を踏み荒し、バキバキと東京タワーをへし折った。

一つ一つの言葉をよく見てください。主語である「ゴジラ」と他の言葉の「バランス」、「関係性」です。

「ゴジラ」は「固有名詞」です。「固有名詞」とは、世界で一つだけのものの名前です。「ゴジラ」は世界的な大怪獣で怪獣王です。

この「ゴジラ」に対して、「アアーン」、「大音声」、「芝公園を踏み荒し」、「バキバキと東京タワーをへし折った」の「関係性」、「バランス」を見てください。

「ゴジラ」が、体長十センチのサル、「ピグミーマーモセット」くらいの大きさでは、これらの言葉は生み出しませんし、これらの言葉とは結びつくことができません。

「関係性」です。

文の中で、その中心となる言葉は、「関係」する言葉を生みだし、それらと結びついていくんです。

「バランス」です。

また、「東京タワー」と「芝公園」も、世界で一つしかないものです。

「固有名詞」で、移動しないものです。だから、これらの地理的な「関係性」も保たれていないと、この文は成り立たないということになります。

「関係性」と「バランス」は、「文字」=「意味」=「内容」から成り立っているんです。

もう一つ、例文をあげてみましょう。

「意味、内容」の整っていない文=「形」の整っていない文=「バランス」のとれていない例文です。

「アアーン!」シンデレラは、大音声(だいおんじょう)をあげて、王子様に抱きつくと、メリメリとその背骨をへし折った。

これでは、ギャグになってしまいますね。面白いかもしれませんが、資格試験や入学試験の読解問題ではまず出ません。

「シンデレラ」と、「アアーン!」、「大音声」、「へし折る」の「バランス」がとれていないんです。

「シンデレラ」自身の言葉の持ち物に、「アアーン」と「大音声」と「へし折る」はないということです。

「シンデレラ」という言葉=文字は、それらの言葉=文字を生み出しませんし、結びつかないんです。

「シンデレラ」は、そういう動作はしないし、できないということです。

おかしくて、笑えてしまうのは、言葉=文字の「関係性」が保たれていない、「バランス」がとれていないからなんです。

「見る」とは、ありのままを受けとめ、考えること

資格試験や入学試験の問題で使われる文章は、すべて「バランス」のとれたものです。

それは、文の「内容」と「形」の「バランス」がとれているということで、文と文、文と段落、段落と段落、文と文章全体、段落と文章全体の「バランス」がとれているということです。

だからこそ、一つの答を要求できる問題ができるんです。(ここで、問題作成者の能力は必須ですね。)

この「バランス」と言葉の「関係性」をよく見るという作業が読解です。

それを問題にしているのが読解問題なんです。

じっくりと見ることから始めましょう。

「見る」とは、ありのままを受けとめ、自身の頭で考える、ということです。

(ありのままを受けとめるとは、書いてある内容に、100%賛成するとか、100%好きになるとかいうことではありません。主観をいれずに、目の前の「意味」を理解するということです。)

「見る目」は、観察眼であり、鑑識眼です。

その根底にあるのは、「考える力」です。

「考える力」は、価値あるものを見れば見るほど(読めば読むほど)、磨かれていくものです。

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