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不条理な世界は、思考停止によってつくられる

「雑記帳」

経験も、そこで知の思考が働いてこそ

 過ちを犯すのが人ですし、成長できるのも人です。

 生きていくことは経験していくことです。

 経験は、まったく個人的なものです。

 経験は、個の思考の力と直結します。

 何事かを経験しても、深い思考ができなければ、怒り、憎しみ、嘲(あざけ)り、悲しみ、恐れ、といった域に止(とど)まる可能性があります。

 経験から学ぶというのも、そこで知の思考が働いてこそでしょう。

 人は、客観的、論理的といった知の思考を学ばなければ、ただ生きていくだけになってしまいます。

 それは、つまり、ただ経験していくだけということ。

 そうしてつくりあげられる世界観は、当然のことながら、個の経験からのみの世界観になります。 

 問題解決も、意味の完結も、個の経験からの世界でなされます。

 最も安易な解決、完結は、損得の勘定です。

 私利私欲につながりやすくなる。

 個の経験からの狭小な世界観でしか思考しない、できないからです。

 その言葉に大きな力が宿るわけもありません。

 人は、顔に皺(しわ)が刻まれ、頭に白いものが目立つようになれば、それで深い思考ができるようになるわけではないんですよね。

 それは、仕事に就いて金を稼ぐようになっても、子供の親になっても同じことですね。

世界を知る

 世界の成り立ちを知らずとも、人は生きてはいけます。年を重ねてはいけます。

 ただ、人は、どのような年の重ね方をしていくかで、生き方が違ってくる。

 情報は世界の人々から得るべきです。

 与えられる情報は駄目です。

 この世は嘘で覆われています。多くの人を誘導するための情報で溢れています。

 嘘や誘導を見極められるかどうかは、世界の成り立ち、日本の成り立ちを知ることです。

 それは、学校では絶対に学べません。

 自分自身で調べるしかありません。世界で生きる人の生の声を。

 知る努力はスタンスであり、生きる姿勢です。

 テレビや新聞が伝える情報や歴史は決して鵜呑みにしてはいけません。

 その情報や歴史は、権力者が自分たちに都合よくつくったものです。

 政治、経済とは、支配と被支配、騙す側と騙される側とを分けるものです。

 ただのお人好しは簡単に騙されます。

 てか、騙すなよなぁ……。

 悲しい国だ、この国は

知り、考える姿勢は自身の生き方の中にある

 身体内の細胞が変化するように、現実の世界は刻々と変わっていきます。

 それは多くの人々が生きている証(あかし)です。

 変化する現実世界の中の個である自身は、やはり変化していかなければいけません。

 それは、考えるということです。

 どんなに鄙(ひな)びた所に暮らそうと、ネットで世界と繋(つな)がっている現代、無知を理想として生きられるような時代ではありません。

 知ること、考えることを怠(おこた)れば、的外れな、つまらぬ我(が)をふりかざすしかできなくなってしまいます。

 私利私欲の自己中心的な負の力にからめとられても、それを当たり前のものとして、考えることもしなくなってしまいます。

 何者かの手のひらで踊らされていることに気づかぬ一生。

 不条理とされるこの世界をつくっている要因は一人一人の思考停止です。

 世界をより良くするには、一人一人が成長していくことでしょう。

 知り、考えるという姿勢は、自身の生き方の中にあるんですよね。

 何より大切なのは、自ら情報を求め、「あたりまえ」という「嘘」に気づくことです。

 与えられる情報は、駄目ダメです。

対崎正宏

日本ユニシス勤務後、両国予備校、四谷大塚、私塾等で、国語・現代文、古文、漢文、小論文を指導。
著書
「論理的思考力が飛躍的に高まる 大人の『読む力』」(日本実業出版社)、「現代文〈評論〉の読み方」
「現代文〈小説〉の読み方」(いずれも開拓社)
「ついざき式 本当の読解力を身につける50の方法」(KADOKAWA)。
※著作は、すべて商業出版。

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