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手紙の書き方 前略 拝啓 謹啓 頭語と結語はこれだけで大丈夫

#内容,#型,#時候の挨拶

手紙の定型を知る

手紙には、定められた書き方の型があります。

(本来、礼を表す手紙は、縦書きですので、ご注意を。

ここでは、横書き表記で、申し訳ありません。

もちろん、親しい人に、横書きで、以下に記すような型の手紙を送るのは、何ら問題ないことです。)

手紙の定型 言葉の配置を確認

「拝啓」や「前略」を「頭語」といいます。

「敬具」や「草草」を、「結語」といいます。

ここでは、まず「頭語」と「結語」から、説明していきます。

下に「手紙の定型」の図を示しますので、「頭語」「結語」の位置を確認してください。

それから、言葉の配置で注意すべきは、「後付」と呼ばれる、日付自分の名前相手の名前です。

自分の名前は、下方に記します。

日付自分の名前の順番が間違えやすいところです。

(図)手紙の定型 

※スマホを横向きにしてご覧ください

(図)手紙の定型

頭語 前文(時候のあいさつ等)

主文(伝えたい内容)

末文(相手を気遣う言葉、今後の指導のお願い等)   結語

 日付

                       自分の名前

相手の名前

副文  

※副文、とは、「追伸」、「追記」です。礼を表す手紙の場合、副文は記しません。

「時候のあいさつ」はこちらをどうぞ → 時候の挨拶 一覧 月別の例文 そのまま使える 

頭語と結語の組み合わせ 

では頭語と結語についてです。 

手紙の書き出しの語を、頭語、といいます。 

拝啓、前略、といった語は、頭語です。 

この頭語に対して、手紙の結びの語を、結語、といいます。 

敬具、草草、といった語は、結語です。 

これら、頭語と結語は、それぞれ組み合わせが定められています。

頭語と結語の組み合わせは、これだけで大丈夫 

※下の図は、スマホを横向きにしてご覧ください。

謹啓 ━━ 謹白         特に改まった手紙

拝啓 ━━ 敬具         改まった手紙

前略 ━━ 草草         取り急ぎのお礼の手紙・親しい人への手紙

手紙の頭語と結語の知識においては、上の三組を使い、そして使い分けられれば、十分です。 

他にも、頭語と結語の組み合わせは多多あるんですけど、あまりに儀礼的になるのも、心が感じられなくなってしまう恐れがあります。  

手紙の要は、伝える内容であり、心です。

相手への思いです。 

思いは、言葉ですからね。

手紙は、自分自身の思いを、言葉に表せてこそです。

さらなる使い分けについてはこちらをどうぞ → 手紙の書き出しと結び 使い分け 一覧 

「そうそう」は、「草草」だけではない

ところで、「拝啓」の結語に、「草草」は使えません。

「草草」は、「前略」の結語です。

その「草草」、表記の上で、他にも「そうそう」があります。

「怱怱」とも、「匆匆」とも、記せます。

というのも、「草草」、「怱怱」、「匆匆」は、みな、「取り急ぎ、走り書きしました」という同じ意味なんです。

だから、どの表記をしても、「前略」の結語として成立します。

「々」は、漢字ではなく、「上に同じ」という意  

冒頭にも記しましたが、礼を表す手紙は、本来、縦書きです。

そもそも、日本の文字は、縦書き表記としてあります。  

「草々」の「々」は、「踊り字」というもので、漢字ではありません。

「々」は、「上に同じ」という意味で、「々」単独では、ふりがなをふることもできないんです。 

「々」は、日本語表記で扱うものなので、縦書きで使用するのが本来であるわけなんですが、その知識を持っている人ばかりではないので、横書きでの使用も多多見受けられますね。

通用してしまっている、ということです。

言葉は、時の流れの中で、今を生きる人間によって使われるものなんですね。

女性は、結語に「かしこ」を使える

女性であれば、結語に、「かしこ」という言葉を使うことも可能です。

この「かしこ」は、「謹啓」、「拝啓」、「前略」、どの頭語でも、使えます。

というのも、「かしこ」を、漢字で記せば、「恐」、「畏」、「賢」で、「恐惶謹言(きょうこうきんげん)」と同じ意味なんです。

「恐惶謹言」とは、丁寧語「候(そうろう)」を使った手紙で記す結びの言葉で、「恐れかしこみ、謹んで申し上げる」意です。

(くりかえしますが、「かしこ」は、一般に、女性が使う結語です。

一般、とは、歴史、慣習から成り立つものです。

実は、言葉、文字、というものには、男女差別の影があるんです。

それは、歴史です。

長い歴史から成っているのが、言葉であり、文字です。

言葉、文字は、歴史そのものなんです。)

謹啓、拝啓には、前文を記す

「謹啓」、「拝啓」を記す場合には、「前文」が必要です。

「前略」の場合は、省略します。

「前略」とは、「前文」を「略」す意なんです。

「前文」とは、時候の挨拶等の文です。

以下のようなものですね。

「貴社、ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。」

「残暑の候、貴社、ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。」

時候の挨拶については、こちらをどうぞ → 時候の挨拶 一覧 月別の例文 そのまま使える  

「末文」は、必ず記す

「謹啓」でも、「拝啓」でも、「前略」でも、「末文」は必ず記しましょう。

「末文」の例は、以下のようなものです。

「向暑の候、いっそうのご自愛をお祈り申し上げます。」

「略儀ながら、書中をもってご挨拶申し上げます。」

「まずは、お礼まで。」

「まずはお礼申し上げます。」

こちらをどうぞ → 「まずはお礼まで」誤用に注意! ビジネス メール・手紙の書き方 

相手があっての手紙であり、内容があっての、「末文」です。

「末文」も、内容、相手に合わせて書きましょう。

礼を失しないように、ということです。

相手を思いやる気持ちが大切です。

「ご自愛ください」に要注意

「末文」のよくある間違いに、「お体ご自愛ください」があります。これは、間違いです。

「自愛」とは、「自ら、その身を、愛す、大切にする」という意です。

「自愛」の語の中に、「体」の意味は入っているんです。

だから、「体」と「自愛」という語を、一緒に使ってはいけません。

「ご自愛ください」と記すか、「お体を大切になさってください」と記すかです。

年賀状や暑中見舞いで、頭語、結語は使えない

念のためで、記しておきますが、

年賀状や暑中見舞いで、「頭語」、「結語」は使いません。使えません。

「相手への思い」

どのような手紙にしても、メールにしても、相手への思いを、言葉にする、ということが大事です。

その思いが、相手に伝われば、書式が間違っていようが、誤字、脱字があろうが、構わない、と僕は思っています。逆に、巧言令色はいただけません。

でも、形も中身もしっかり揃えるのが、大人の仕事なんですよね。

2022年6月9日「雑記帳」#内容,#型,#時候の挨拶

Posted by 対崎正宏