れる られる ら抜き言葉 意味の見分け方 用法を例文で
れる られる 見分け方
助動詞「れる」「られる」は、受身、尊敬、可能、自発、といった意味を持っています。
意味を見分けるには、「れる」「られる」と接続している動詞(動作)に注目しましょう。
そうして、その動作主をおさえましょう。
例文を使って、その見分け方を確認していきます。
受身
例
彼女は、不審(ふしん)な男に、好奇の目で見られた。
→ 「見る」動作をしているのは「彼女」ではありません
→ 「見る」動作をしているのは「不審(ふしん)な男」です。
→ 彼女は、「見る」動作を受けています
→ 「られ」は受身の意味
尊敬
例
先生は、やさしい眼差しで、私を見られた。
→ 「見る」動作をしている人が、尊敬する人物です
→ 「られ」は尊敬の意味
可能
例
弟は、丘の上から、ようやく、川を見られた。
→ 「見る」動作をしているのは、尊敬する人物ではありません
→ 「見られた」は、「見る」ことができたと置きかえられます
→ 「られ」は可能の意味
自発
例
蘭子は、銀太郎がしていたエリザベス・カラーを見ると、いつも彼のことが案じられた。
→ 「られ」が接続している動詞(「案じ」)が、心情を表す動詞です
→ 自然と~(さ)れるの意味となっています
→ 「自発」とは、自然と起こる意です
→ いつも(自然と)彼のことが案じられた
→ 「られ」は自発の意味
自発の「れる」、「られる」が接続する動詞は、主として、心情を表す動詞です。
例
思う、思い出す、感じる、案じる、心配する、悟る、偲(しの)ぶ、等等
↓
思われる、思い出される、感じられる、案じられる、心配される、悟られる、偲ばれる、等等
自発は、多くの場合、自然とそうなるための、条件、原因が記されます。
上記の例でいえば、「蘭子は、銀太郎がしていたエリザベス・カラーを見る」が条件(原因)です。
その条件(原因)から、「蘭子は」「彼のことが案じられ」ることになるのです。
「れる」「られる」 意味の識別の一例
助動詞「れる」、「られる」の意味は、接続している動詞からだけでは判断できません。文の意味、あるいは、前後の文の意味から判断しましょう。
実際に、次の①~⑤の例文から確認してみます。
例①
先生は、お亡くなりになった奥様を偲(しの)ばれているようだった。
↑
上記の例文の「れる」は、尊敬です。
「偲ぶ」という動作主が、尊敬される人物です。
また、この文を記しているのは、書き手です。「先生」自身ではありません。
この文は、あくまでも、書き手からの想像であって、実際に、「先生」が、「奥様を偲」んでいるかどうかはわからないことです。
この「れる」は、書き手から、「先生」への尊敬の意です。
例②
私は、月を見ると、亡くした妻のことが偲ばれてしかたなかった。
↑
上記の例文の「れる」は、自発です。
「偲」ぶ動作主が、書き手自身です。
「偲ばれ」る条件(原因)が、「月を見ると」というように明記されています。
例③
先生は、大勢の人たちに、笑われていた。
↑
上記の例文の「れる」は、受身です。
「笑う」という動作主は、「大勢の人たち」です。「先生」ではありません。
文の主語の「先生」は、「大勢の人たち」の動作「笑」うを、受ける立場です。受身となっています。
「笑」う動作主である「大勢の人たち」に、「に」という助詞が記されていますね。
「れる」が受身となる場合、このような書き方になります。
「に」の他に、「から」とか、「によって」とかもあります。
↓
例④
先生は、大勢の人たちから、非難された。
例⑤
先生は、大勢の人たちによって、村から追い出された。
こちらもどうぞ(古典)→ る らる 助動詞 意味と見分け方 接続する動詞
「ら抜き言葉」
「ら抜き言葉」とは、「られる」で動詞に接続させるべきところを、「れる」で接続させてしまったものをいいます。
「見られる」は正しい言い方で、「見れる」は間違った言い方です。
「見られる」が正しい
「見れる」は誤った言い方です。
「見る」という動詞と、「れる」という助動詞の接続が間違っているんです。
「見られる」というように、「られる」を接続させなければいけません。
「ら」が抜けているから、「ら抜き言葉」といわれるんですね。
接続の際の区別
助動詞「れる」、「られる」の動詞接続の際の区別は、動詞を打ち消しの意志の形、「誰に何といわれようと、私は絶対に〇〇ない」の形にしてみて、「ない」の直前の音がア段であれば「れる」接続、ア段以外の音であれば「られる」接続となります。
例
「見る」の場合
→ 「誰に何といわれようと、私は絶対に見ない」、「ない」の直前の音は「ミ」、「ミ」はイ段です、ア段ではありませんから、「られる」接続 → 「見られる」が正しい。
「走る」の場合
→ 「誰に何といわれようと、私は絶対に走らない」、「ない」の直前の音は「ラ」、「ラ」はア段ですから、「れる」接続 → 「走れる」が正しい。
「れる」「られる」と述語の動詞・助動詞の確認問題
「れる」・「られる」の接続、大丈夫ですね。
では、ここで「れる」「られる」と述語の動詞・助動詞の用法確認をしてみましょう。
次の文で、正しい書き方をしているものはいくつあるでしょう。
1 私は、ハンガーに上着を掛けられた。
2 彼も、この料理なら食える。
3 彼女なら、毎日、花に水をやれる。
4 私は、5時の電車に乗れる。
5 彼のお気に入りのおもちゃが壊れた。
6 彼女は、みんなから褒(ほ)められた。
7 彼は、いい写真が撮れた。
8 彼は、納豆を食べられた。
9 彼女は、彼に手紙を送れた。
10 私は、絵を見られた。
11 彼女は、途方に暮れていたが、彼に頼れた。
12 私は、明朝4時に起きられる。
13 あの子は、まだ3歳だが、一人で家に帰れる。
14 彼は、もう12歳だから、一人で家に居られる。
15 合鍵があれば、誰でも、研究室に入れる。(入れる【はいれる】)
16 この重い荷物も、ロボットなら、家の中に入れられる。(入れられる【いれられる】)
17 この地に水さえあれば、私たちは生きられる。
18 彼女は、歌って踊れるアイドルだ。
19 きっと、あなたは、新しい力を得られる。
20 これで、彼は、知識を深められる。
21 今夜、我々は、安全な場所で寝られる。
解答は、この下です。
ここ ここ ↓
解答
答 ( 21 )個
すべて正しい用法で書かれています。
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