「~たり、~たり」動作を並べる書き方のポイント
いくつもの動作の中から、最重要の「ポイント」を見せる
なんとなく言葉を並べるだけでは、言いたいことは伝わらない
例文
A氏は、B会長に家へ招かれ、会社創業時の話を聞き、食事をした。
この例文は、一文で意味が成立してはいます。
しかし、人に読んでもらうための一文としては、十分ではありません。
伝えたい「ポイント」がわからない書き方をしているからです。
なんとなく言葉を並べるだけでは、言いたいことは伝わらないんですね。
ポイント(軸)となる主語と述語を一組、決める
例文
A氏は、B会長に家へ招かれ、会社創業時の話を聞き、食事をした。
例文は、「A氏」が、「B会長に家へ招かれ」たこと、「会社創業時の話を聞い」たこと、「食事をし」たこと、という三つの動作(=意味)をただ羅列しているだけの文になっています。
「私は、朝起きて、顔を洗って、歯を磨いて、ご飯を食べた」と同じ類の文です。
「ポイント」の見えない書き方は、誤解を生む原因ともなります。
一文しか書かないのなら、一文で意味を完成させましょう。最重要の「ポイント」を、読み手にしっかり見せるんです。
ポイント(軸)となる主語と述語を一組、決めましょう。
例文
○ A氏はB会長に家へ招かれ、会社創業時の話を聞いたり、食事をごちそうになったりした。
「起点」は、意味を生みだす
時系列の書き方であれば、最重要の「ポイント」は起点か終点かのどちらかになります。
起点は、「原因」となって「ポイント」になります。
終点は、「結果」となって、「ポイント」になります。
しかし、例文「A氏は、B会長に家へ招かれ、会社創業時の話を聞き、食事をした。」は、時系列の書き方ともいえません。終点が判然としないからです。「会社創業時の話を聞」くのと、「食事を」するのと、同時進行のようにも読めます。
そこで、例文「A氏は、B会長に家へ招かれ、会社創業時の話を聞き、食事をした。」は、意味の起点である「B会長に家へ招かれ」たことを「ポイント」とします。
「B会長に家へ招かれ」なければ、「会社創業時の話を聞」く意味も、「食事を」する意味も生まれませんよね。
「話」や「食事」が特別な意味を持つことになるのも、「B会長に家へ招かれ」たという「起点」の意味があるからです。
具体的な意味が、その「ポイント」を「見せる」
「~たり、~たり」は、具体的な動作(=意味)を並べて「見せる」書き方です。
具体的な動作を「見せる」書き方は、そのポイントを「見せる」書き方になります。
動作の方向性を揃える 「を」「に」「で」に注意
「~たり、~たり」を、ポイントと一緒に書く際は、動作の方向性に気をつけましょう。
一文の中の、「を」「に」「で」の扱いです。
文意がねじれないように、動作主である主語からの視点で記しましょう。
例文
A氏は、B会長に家へ招かれ、
↓ ↓
会社創業時の話を聞き、 食事をした。
Brush up
主語と動作の方向性を揃える
○(A氏は、B会長に)会社創業時の話を聞いたり、
×(A氏は、B会長に)食事をしたりした。
→ ○(A氏は、B会長に)食事をごちそうになったりした。
「ポイント」と、その具体的な動作の並べ方
ポイントの具体的な動作(=意味)は、ポイントの内容(=中身)であり、説明です。
例文
A氏はB会長に家へ招かれ、会社創業時の話を聞いたり、食事をごちそうになったりした。
ポイント、~たり、~たりする。
AがB、Cたり、Dたりする。
一組の最重要の主語と述語動詞を「ポイント」とし、他の述語動詞を、その具体的な意味として記す。
主語・述語動詞、述語動詞たり、述語動詞たりする。