時候の挨拶 一覧 月別の例文 そのまま使える
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手紙の定型
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手紙の定型 一例(4月)
拝啓 陽春の候 貴社ますますご清栄のことお喜び申し上げます。毎度お引き立てにあずかり誠にありがとうございます。
さて、下記の通り、見積書を同封貴送いたしますので、ご査収賜りたくお願い申し上げます。
見積書にご不明な点がございましたら、ご遠慮なく、ご連絡くださいますよう、お願い申し上げます。
今後とも一層のご支援、ご愛顧のほどお願いいたします。 敬具
〈記〉
同封書類 見積書 1部 以上
手紙の「時候の挨拶文」とは
「時候」とは、暑い、寒い、といった四季それぞれの気候のことです。
「時候の挨拶文」とは、手紙の「頭語」の次に記す文で、時候について触れた挨拶です。
例
拝啓 新春の候、貴社ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。(1月)
「拝啓」が「頭語」で、「新春の候、貴社ますますご清栄のこととお喜び申し上げます」が「時候の挨拶文」です。
ビジネスにおける手紙や、目上の人への手紙など、形も中身もしっかり整えたいという場合には、頭語、時候の挨拶を記しましょう。
時候を表す言葉 前文
時候の挨拶文の冒頭に記すのが、「時候を表す言葉」です。「前文」といいます。
次の例の「新春の候」が、「時候を表す言葉」です。
例 新春の候、貴社ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。 (1月)
この「時候を表す言葉」は、「月」によって変えるのが基本です。
季節感をだすんですね。
「前文」「頭語」「結語」については、こちら → 手紙の書き方 前略 拝啓 謹啓 頭語と結語はこれだけで大丈夫 (目次で確認できます)
時候を表す言葉を記さない書き方
意図的に季節感をだしたくない、といった場合には、それを記さずに挨拶文を書くことも可能です。
季節感をあえてだしたくない場合
コロナ禍などであれば、「あえて季節感をだしたくない」とお考えの人もいることでしょう。
そういった場合は、時候を表す言葉を使わない書き方も可能です。
例
拝啓 貴社におかれましては、ますますご隆盛のこととお慶び申し上げます。
先に、相手から通知があった場合
先に、相手のほうから、「企画書を送ってくれ」などと通知があった場合も、時候を表す言葉を記さずとも、書けます。
例
時下、いよいよご清栄のこととお喜び申し上げます。
「時下」とは、「このごろ」「このせつ」「目下」「刻下」の意です。
「下」というような文字の下には、相手様の名前に通じる言葉は記しません。
礼を失するからです。
ビジネスにおいての手紙は、特に敬意の表現が重要となります。
だから、「時下」の次に「貴社」という言葉を記しません。
時候を表す言葉と「時下」はOK
時候を表す言葉と「時下」を一緒に記すことは可能です。
例
春寒の候、時下ますますご清栄のことととお慶び申し上げます。(2月)
「会社宛て」の手紙 「貴社」を記すか 記さないか
季節感をあえてだしたくない、という明確な意図(考え)があるのなら、「季節を表す言葉」を書かずとも良いでしょう。
そもそも、「書く」ということは、自分自身の「考え」の表現です。
では、季節感うんぬんの考えがなく、コロナ禍でもなく、一般的な場合であれば、「貴社」という文字を記すか、記さないか。
「時下、ますますご清栄のこととお喜び申し上げます」
この書き方で、「ますますご清栄」なのは、「貴社」のことです。
つまり、この書き方は「貴社」を省略しているわけです。
省略は、敬意を表す書き方ではありません。
敬意の根本は、「形」であり、「心」です。
手紙の場合、「心」を表すのが、書き方という「形」です。
相手のほうから「企画書を送ぅてくれ」というような何らかのアクションが先にあったとか、「コロナ禍」で季節感を表したくないとか、相手方がすでに親しい間柄であるとかいうのでなければ、「会社宛て」の一般的な手紙には、「貴社」を記すべきでしょう。
いわゆる「形式的」とはいえ、それが手紙の書き方です。
その「形式的」に、「心」をこめるかどうかは、自分自身です。
ちなみに、礼を示す手紙は「縦書き」です。(→ 手紙の書き方 前略 拝啓 謹啓 頭語と結語はこれだけで大丈夫 )
挨拶の言葉 「ご清栄」「ご隆盛」「お喜び」「お慶び」
「時候を表す言葉」に続く「挨拶」にも定型があります。
「貴社」には、「ご清栄」「ご隆盛」を使います。
「お喜び」「お慶び」を使います。
※現在、手紙の定型文の「喜」と「慶」は同じ意味として使われています。
そもそも、「慶び申し」とは「奏慶(そうけい)」「拝賀」の意で、官位に叙せられた者が参内して御礼を申し上げることをいいます。
しかしながら、現在の手紙文で使う「慶び」に、その意はありません。
「お慶び」でも、「お喜び」でも、OK牧場です。
例
貴社ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。
貴社ますますご隆盛のこととお慶び申し上げます。
「ご健勝」に注意!
注意!
「ご健勝」とは、「健康」の意味です。つまり、「貴社」に「ご健勝」という言葉は使えません。
「ご健勝」を使うのは、次のような、「人」を対象にした書き方です。
例
余寒の候、いよいよご健勝のことととお喜び申し上げます。(2月)
(よかんのこう)
早春の候、皆様にはいよいよご健勝のこととお慶び申し上げます。(3月)
(そうしゅんのこう)
時候を表す言葉の例
1月
新春の候、貴社ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。
厳寒の候、貴社ますますご隆盛のこととお慶び申し上げます。
大寒の候、貴社ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。
※「大寒の候」は、「大寒」中に使用できます。「大寒」は、1月20日から2月3日頃までです。(2052年までは、大寒は1月20日からです。)大寒の最後の日が「節分」で、その翌日が「立春」です。
新春の候(しんしゅんのこう)
厳寒の候(げんかんのこう)
大寒の候(だいかんのこう)
2月
春寒の候、貴社ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。
余寒の候、、貴社ますますご隆盛のこととお慶び申し上げます。
春寒の候(しゅんかんのこう)
余寒の候(よかんのこう)
3月
早春の候、貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
浅春の候、貴社ますますご隆盛のこととお喜び申し上げます。
早春の候(そうしゅんのこう)
浅春の候(せんしゅんのこう)
4月
春暖の候、貴社ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。
陽春の候、貴社ますますご隆盛のこととお慶び申し上げます。
春暖の候(しゅんだんのこう)
陽春の候(ようしゅんのこう)
5月
新緑の候、貴社ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。
薫風の候、貴社ますますご隆盛のこととお慶び申し上げます。
新緑の候(しんりょくのこう)
薫風の候(くんぷうのこう)
6月
初夏の候、貴社ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。
向暑の候、貴社ますますご隆盛のこととお慶び申し上げます。
梅雨の候、貴社ますますご隆盛のこととお慶び申し上げます。
※「梅雨の候」は、梅雨入りから梅雨明けまでの時期に使用可能です。
初夏の候(しょかのこう)
向暑の候(こうしょのこう)
梅雨の候(つゆ・ばいうのこう)
7月
盛夏の候、貴社ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。
酷暑の候、貴社ますますご隆盛のこととお慶び申し上げます。
炎暑の候、貴社ますますご隆盛のこととお慶び申し上げます。
猛暑の候、貴社ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。
盛夏の候(せいかのこう)
酷暑の候(こくしょのこう)
炎暑の候(えんしょのこう)
猛暑の候(もうしょのこう)
8月
残暑の候、貴社ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。
晩夏の候、貴社ますますご隆盛のこととお慶び申し上げます。
立秋の候、貴社ますますご隆盛のこととお慶び申し上げます。
※「立秋の候」は、「立秋」から使用可能です。
残暑の候(ざんしょのこう)
晩夏の候(ばんかのこう)
立秋の候(りっしゅうのこう)
9月
初秋の候、貴社ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。
新秋の候、貴社ますますご隆盛のこととお慶び申し上げます。
新涼の候、貴社ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。
初秋の候(しょしゅうのこう)
新秋の候(しんしゅうのこう)
新涼の候(しんりょうのこう)
10月
秋冷の候、貴社ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。
清秋の候、貴社ますますご隆盛のこととお慶び申し上げます。
秋冷の候(しゅうれいのこう)
清秋の候(せいしゅうのこう)
11月
晩秋の候、貴社ますますご隆盛のこととお慶び申し上げます。
向寒の候、貴社ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。
暮秋の候、貴社ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。
晩秋の候(ばんしゅうのこう)
向寒の候(こうかんのこう)
暮秋の候(ぼしゅうのこう)
12月
師走の候、貴社ますますご隆盛のこととお慶び申し上げます。
寒冷の候、貴社ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。
師走の候(しわすのこう)
寒冷の候(かんれいのこう)
こちらもどうぞ 手紙の書き方 前略 拝啓 謹啓 頭語と結語はこれだけで大丈夫