省略の書き方 省略には順序がある 位置関係と重要度

省略は、思考が進むこと

 日本語は、縦書きを基本とします。

「縦書き」という書き方からの説明をここに記します。

 上から下、右から左という書き方ですね。

 書き方は、意味の流れです。

 縦書きは、上よりも下に新しい意味・内容が書かれ、右よりも左に新しい意味・内容が書かれるということです。

 文が書き進められていくほど、上の内容、右の内容は、すでに記したものとして、省略されることになります。

 この書き方をしなければ、書き手も読み手も思考を先に進めることができなくなってしまうからです。

省略と重要度

 上下、左右の省略の関係を、重要度という視点から考えてみましょう。

 日本語は終わりに位置する言葉、縦書きの場合、つまり下に位置する言葉で意味が完成します。

 これは、終わりが重要であるということです。

 つまり、上よりも下が重要。

 上は省略できても、下は省略できない。

 なぜなら、下に位置する言葉は、その場の新しい意味を完成させるものだから。

位置関係から、主語は省略される

 主語と述語によって、文の根本(こんぽん)の意味は完成しますが、主語の記される位置は決まっていません。

 述語が記される位置は倒置法などの書き方を除いて基本的に主語よりも下です。

 そして、主語は省略されることもしばしばです。

 文のキーであるからこそ、くり返され、省略される、とこのサイトの中でも、記してきました。

 しかし、日本語の縦書きという観点、その位置関係からいえば、下に位置する述語は残されて、上に位置する主語は省略される、といえるのです。

省略が可能となる書き方

 省略(法)は、目に見えずとも、その意味は存在しているという書き方です。

 破綻のない書き方であれば、主語は、省略という形で、意味が存在しています。

 さらにいえば、条件や状況、原因・理由等、修飾語、接続語も、述語よりも上に書かれるものです。

 だから、主語は、書かなくとも成り立つのです。

 省略が可能になるのです。

省略は、読み手の言葉の補いで意味が完成する

 省略という書き方は、読み手の、言葉の補いによって意味が完成します。

 条件や状況といった意味の補いで、文が成立するわけです。

 主語が省略されている場合、述語が最重要の意味となって記されているのです。

縦書きの日本語は、下にポイントが置かれる

 記述、論述からいえば、大切なポイント内容を一番下に置いて、その具体的な説明内容をその上に載せていく、というイメージをしてみてください。

 ポイントから離れて載るものほど、その場の書き方では省略可能ということです。

 つまり、ポイントを説明する意味・内容としての重要度が低くなるということです。

 これは、書く際にも、読む際にも大いに意識すべきことです。

ポイントと具体例 具体例の省略の順序

 下の図では、ポイントの前に、四つの具体例が記されていることを示しています。

 この場合、例1が最も重要な意味で、例2がその次に重要、続いて、例3、そして例4、となっています。

 つまり、ここから例を省略していくとすると、まず例4、次に例3、そして例2、という順になります。

例(4)  例(3)  例(2)  例(1)  ポイント

言葉を位置づけるということ

 書くとは、言葉を置くことです。

 言葉を位置づけるということです。

 言葉を置けば、関係性が生じます。

 関係性が生じるということは、意味が生じる、重要度の違いも生じるということなんです。

 それにより、省略できる言葉も生じる。

 思考を進めていくためです。