一文の書き方 意味の成立は、主語と述語
考えの起点を主語にする
文の成立は、主語と述語の意味の対応
主語の持っている意味を、述語として出せれば、文は成立します。
その際、主語と述語の意味は対応しています。
つりあっているわけです。
次の例文1は、主語と述語がつりあっていない文です。
例文1
× 私がオーストラリアから送った手紙は、Aさんだけだった。
文の意味をつくるのは、映像(想像)ではなく言葉
もし、例文1を正しいと思ってしまうとしたら、それは、脳内で映像をつくっているからです。想像です。
その脳内で、言葉は使われていません。
文章を書くとは、言葉を使うということです。
修 飾 語
私がオーストラリアから送った
手紙は、Aさんだけだった。
主 語 ≠ 述 語
「手紙」は、「人」ではありません。
「手紙」は、「もの」です。
考えの起点を壊せば、文章は書けなくなる
例文1の主語は、書き手が十分に考えて記したものとしましょう。
それならば、修正の際、主語をいじってはいけません。
主語をつくったということは、文の意味の起点をつくったということです。
それは、書き手が、脳内で、考えの起点をつくったということです。
考えの起点を壊せば、全体が壊れます。
修正するのは、述語です。
文章は、一文一文から成ります。
一文の主語への「視点」が身につくと、文章がスムーズに書けるようになります。
修 飾 語
私がオーストラリアから送った
手紙は Aさんだけだった
主 語 ≠ 述 語
↓
手紙は Aさんへのものだけだった
主 語 = 述 語(述 部)
例文2
〇 私がオーストラリアから送った手紙は、Aさんへのものだけだった。
文章中で主語と述語が対応していないとき、修正するのは述語。
修飾語の扱い方がわかれば、レベルアップした文が書ける
修飾語の意味は、主語を通して、述語で生きる
例文1、例文2では、主語を修飾する語の中に「送った」があります。
この「送った」が主語の中で生きるから、述語で「へ」が必要になります。
修 飾 語
私がオーストラリアから送った
↓
例文1 手紙は、Aさんだけだった。
(修飾語)主 語 ≠ 述 語
「送った手紙」は、「Aさんへのもの」です。
例文2 〇 手紙は、Aさんへのものだけだった。
(修飾語)主 語 = 述 語
「送る」は、目的語だけでなく方向性を示す必要がある言葉
「送る」という言葉は、「~を」という目的語だけでなく、「~に」という動作の方向性を示す必要がある言葉です。
→「Aさんに手紙を送る」
動作の方向性は、例文2のように「へ」でも示せます。
また、今回のように「手紙を送る」場合なら、「宛」、「に宛てる」などでも方向性を示すことができます。
→「Aさん宛で手紙を送る」
例文3
〇 私がオーストラリアから送った手紙は、Aさん宛のものだけだった。
例文4
〇 私がオーストラリアから送った手紙は、Aさんに宛てたものだけだった。
※「送る」と同じく、「~に~を」の形となる言葉に、「届ける」、「渡す」、「見せる」、「食べさせる」などがあります。