一文の書き方 人に伝えるための文の構造
動作による一文の書き方
動作を並べるだけでは、何を言いたいのかわからない
次の例文は、一文のみで存在しています。
内容は理解できますし、文法上も何ら問題ありません。
ただ、書き手がいったい何を伝えたいのかが不明です。
他者に何かを伝えるための書き方をしていないんです。
例文
A氏は、B会長に家へ招かれ、会社創業時の話を聞き、食事をした。
基軸というポイント
例文は、「A氏」が、「B会長に家へ招かれ」たこと、「会社創業時の話を聞い」たこと、「食事をした」こと、という三つの意味(動作)を、ただ時系列的に羅列しただけの文になっています。
幼い子供が書く、「私は、朝起きて、顔を洗って、歯を磨いて、ご飯を食べました。あ! トイレも行きました。」と同じ類の文です。
基軸を示せていないからです。
基軸とは、中心となる意味で、ポイントです。
いわゆる、文章力がないといわれる人は、文の構造を理解していないんです。
それは、形あるもので、誰でも習得できるものです。
一文の中に、ポイント部と説明部をつくる
例文の問題点は、一つの主語に対して、三つの述語動詞を、みな同列に記しているところです。
例文
主語 → A氏は
述語動詞 → B会長に家へ招かれ 会社創業時の話を聞き 食事をした
なんとなく動作を並べるだけでは、何を言いたいのか、読み手にはわかりません。一文しか書かないのなら、一文の中に、ポイント部とその説明部をつくりましょう。
ブラッシュアップ 一例
A氏はB会長に家へ招かれ、会社創業時の話を聞いたり、食事をごちそうになったりした。
今回の詳細解説は、こちらで → 「~たり、~たり」動作を並べる書き方のポイント