二字熟語の構成 三字熟語・四字熟語の構成 熟語の成り立ちの基本
熟語の成り立ち
熟語とは、二つ以上の単語、二字以上の漢字から、一つの意味が成り立っている語です。
二つ以上の単語から成る熟語の例
日帰り、夕涼み、夜明け、等等
二字以上の漢字から成る熟語の例
動力、文化祭、一日千秋、等等
熟語の基本の構成は、二字熟語
三字以上の漢字から成る熟語も、その組み立ては漢字二字の熟語が基本となっています。
二字熟語の組み立てを理解すれば、三字以上の熟語の組み立ても容易に確認できるようになります。その意味も深く理解できるようになります。
まずは、二字熟語の構成を確認していきましょう。
二字熟語の構成
熟語は、意味の上から組み立てられています。
熟語の構成は、その文字による、意味の構成です。
そもそも、言葉の意味の組み立ては、意味の流れです。
その基本は、前から後へ、というものです。
しかしながら、その構造を観察すれば、後から前へ、というものも存在します。
同じ意味、反対の意味で、その場に一旦、止(とど)まるようなものもあります。
これから、実際に、二字熟語の構成を確認していきましょう。
二字熟語の構成は、意味の構成から、まず、2種類ずつ理解していくとよいでしょう。
二字熟語の基本の構成は、9種類です。
※スマホを横向きにしてご覧ください。
〇 → 〇
①主語 → 述語
国立
(国ガ → 立てる)
②修飾 → 被修飾
青空
(青い → 空)
〇 ← 〇
③後から「ニ」で前に返る
着席
(着く ← 席ニ)
④後から「ヲ」で前に返る
作文
(作る ← 文ヲ)
⑤同じような意味
〇=〇
道路
(ミチ = ミチ)
⑥反対の意味
〇↔〇
男女
(ダン ↔ ジョ)
⑦的・性・然・化
動的
急性
公然
美化
「的」、「性」、「然」は、状態、性質等の意、「化」は、変化の意
⑧不・無・未・非
不満
無力
非常
未来
「不」、「無」、「非」、「未」は、後の意味を打ち消す。
※ 〇 ← 〇 厳密にいえば、後から前に返って打ち消す形です。
不 ← 〇
無 ← 〇
非 ← 〇
未 ⇄ 〇
(未だ~ず【「未」は再読文字】)
⑨略語
国際連合 → 国連
長い熟語を二字に略したもの
二字熟語の例はこちら → 二字熟語 例(あいうえお順) 構成(組み立て)から分類 一覧
四字熟語の例はこちら → 四字熟語 一覧 意味 あいうえお順
熟語の構成の解き方 漢字の組み立ては、簡単に捉えられる 見分け方
熟語の構成の考え方 「修飾・被修飾」と「下から上に返る」組み立て
対等の意味の構成から成る熟語 三字熟語の例
熟語の中には、文字が対等の構成、となっているものもあります。
文字が対等ということは、一つひとつの意味が独立している、ということです。
もちろん、マクロ、ミクロに、観察すれば、一つの言葉、一つの世界をつくっています。
例
〇・〇・〇
松竹梅
松・竹・梅
「松竹梅」は、三つとも、それぞれ、寒さに耐えるので、中国では絵画の題材とされ、日本ではめでたいものとされているんですね。
序破急
序・破・急
「序破急」は、音楽や舞踊等の形式です。序と破と急は、それぞれ、初部、中間部、最終部です。
三字熟語、四字熟語は、二字熟語の基本の構成から成る
三字以上の熟語も、上記の九つの二字熟語の組み立てを基本として成り立っています。
一例をあげます。
※スマホを横向きにしてご覧ください。
修飾 → 被修飾
後継機
後を → 継ぐ → 機
後から前に返り、それが修飾語となる
為政者(いせいしゃ)
為す ← 政(まつりごと)ヲ
↓
→ 者
「為政者」とは、「政を為(な)す者」、「政治を行う者」です。
温故知新(おんこちしん)
温ねテ ← 故きヲ
↓
知る ← 新しきヲ
「温故知新」とは、「故(ふる)きを温(たず)ねて新しきを知る」ことです。
古い物事を研究し、そこから新しいものを得ることです。
四字熟語の例はこちら → 四字熟語 一覧 意味 あいうえお順
漢文は身近なもの
熟語の組み立ては、漢文の流れです。
漢字を使用する私たちにとって、漢文はごく身近なものなんですよね。
四字熟語 かっこいい韓信 自分を信じて今を乗り越える (韓信の「韓信匍匐」「国士無双」についてです。)