一文の書き方から理解する 主語の重要性
文章は、言葉の扱い方がわかれば書ける
人に伝えるべき「何か」は、一語一語からできている
文章は、誰かに「何か」を伝えるためのものです。
その文章は、「一文一文」からできています。
そして、その一文は、「一語一語」からできています。
「文は書けるんだけど、文章が書けないんだよなぁ」という人は、その文というものを、じつのところ、理解していません。
延いては、一語の扱い方を理解していません。
文章が書けないのは、一文の書き方を理解していないからで、一語の扱い方を理解していないからです。
ポイントの一文(最も伝えたい一文)を、文章中でどのように記すかということは、キーワードとなる一語を、一文中でどのように記すかということと通じています。
一語の扱い方の理解が、文をつくり、文章をつくります。
言葉の扱い方を理解する
人に伝えるための文は、なんとなくの文ではありません。
それは、伝えたいことが明確な文です。
明確な文を記すには、言葉の扱い方を理解することが重要です。
まずは、「主語」です。
主語の意味、その扱い方から説明していきます。
やさしい例文で説明しますね。
主語がわかれば「書ける」
主語になる言葉は、述語の意味を含み持っている
文を書く上で、まずは、その中身を理解しておきましょう。
「文の成立は主語と述語である」とよくいわれますが、述語とは、主語が元々、含み持っていた意味です。
例文1
〇 花が、咲く。
例文1は、意味が成立している文です。
主語は、「花が」です。 述語は、「咲く」です。
「咲く」のは、「花」ですね。
「咲く」という動作の主体は、「花」です。
これは、「咲く」という意味を、主語をつくっている「花」が元々、含み持っていたということです。
「花」は「咲く」という意味を持つが、「犬」は持たない
「犬が、咲く」という文が成立しないのは、「犬」が、「咲く」という意味を持っていないからです。
花(咲く) → 花が、咲く
犬(咲く) → 犬が、咲く
書くとは、脳内作業
意味の成立する文を書くということは、主語の言葉が持ついくつもの意味の中から、一つの意味を取り出し、「述語」というものにする、ということです。
書くとは、脳内作業なんですね。
マクロ、ミクロの意味を文字にしていく。
それが文となり、文章となります。
脳内作業がなければ、「書く」ということはできません。
主語になる言葉は、修飾語の意味も含み持っている
主語や述語と一緒に文をつくるものに、修飾語があります。
この修飾語も、じつは、主語が元々、含み持っていた意味です。
例文2
〇 青い花が、鮮やかに咲く。
例文2の修飾語は、「青い」と「鮮やかに」です。
青い 修飾語
↓ ↓
花が 主 語
鮮やかに 修飾語
↓ ↓
咲く 述 語
例文2は、意味が成立している文です。
「青い」は、「花」を修飾しています。
「花」が「青い」わけですから、この「花」が、「青い」という意味を、元々、含み持っていたということです。
また、「鮮やかに」は、述語の「咲く」を修飾しています。
「咲く」のは、「花」ですから、この「花」が「鮮やかに咲く」という意味を、元々、含み持っていたということです。
意味の成立している文の主語は、修飾語の意味も、元々、含み持っているんです。
「書く」とは、それを理解した上での作業です。
主語は、文の意味の起点
主語が、文の意味の起点となります。
文を書くとは、主語にした言葉の意味を書く、ということです。
主語にする言葉は、十分に考えましょう。
主語にする言葉が持っている意味を、十分に理解しましょう。
主語にする言葉を、書き手が十分に理解していれば、意味の成立する文を書くことができます。
それは、文章が書けるということでもあります。
主語にする言葉から、多くの、述語の意味、修飾語の意味を引き出すことができるからです。
多くの一文を書くことができるからです。
それが文章となります。
主語を決めた時点で、文章の意味の流れは自ずと決まるんです。