原因と結果の関係を例文でわかりやすく解説
視点の置き方は、思考の力
視点の置き方は、思考の力によるものです。
意味の位置づけ、それは視点の置き方によって変わるからです。
あの人は、目の付け所が違う、ってやつです。
視点は、思考の起点にも、基点にもなるんです。
「しっかりした文章」
「しっかりした文章」を理解するということは、その書き手の思考を理解するということです。
しっかりした文章とは、しっかりと言葉が配置された文章のことをいい、それは、しっかりと意味が位置づけされている文章、ということです。
しっかりと意味が位置づけされた文章を読む際、細部の意味を読み誤ると、全体の内容理解は不可能になります。
何を結果と見るか、その結果に対して、何を原因と見るか、それによって、理解は変わってしまうからです。
しっかりした文章において、その意味決定をしているのは書き手です。
しっかりした文章を理解するということは、しっかりした書き手の思考を理解する、ということです。
たとえば、雨が降ることを結果とするか、雲ができることを結果とするか、日が射すことを結果とするか、風が吹くことを結果とするか。
何を結果と定めるかによって、その直接的な原因も、間接的な条件も変わってきます。
意味は、書き手によって位置づけられるんです。
言葉の配置が、意味の決定となるんです。
因果関係
ここで、因果関係を、もう一度、確認し、そこから少しだけ、思考を深く掘り下げてみましょう。
例
種を土に埋めたら、芽が出た。
「芽が出た」のが、結果です。
「種を土に埋めた」のが、原因です。
結果のキーは、「芽」ですね。
「芽が」というように、主語として書かれています。
原因のキーは、「種」ですね。
「種を」というように、対象として書かれています。
「芽」は、「種」と直接に結びついています。
「種」が「芽」となるからです。
これが、因果関係です。
さあ、ここからです。
思考を少しだけ掘り下げます。
因果関係の中身を探る
例
種を土に埋めたら、芽が出た。
因果関係の中身を探りましょう。
「芽」は、「が」と結びつき、主語のキーとなっています。
「種」は、「を」と結びつき、対象のキーとして記されています。
もう一つ、キーがありますね。
そうです、「土」です。
「に」と結びついて、やはり対象のキーとなっています。
因果関係の中にあるもの、それは「条件」・「縁」
例
種を土に埋めたら、芽が出た。
この書き方は、どういうことを意味しているのか。
「種」は、「土」と関係して、「芽」となった、ということです。
「土」は、原因と結果の中にありますね。
これを、「条件」、あるいは、「縁」といいます。
「条件」、「縁」とは、直接的な原因と結果の間にあるものです。「条件」、「縁」は、「間接的な条件」ともいいます。
※「縁」が、結果に対しての直接的原因となる場合もあります。
直接的な原因を因、間接的な条件を縁というのは、仏教からの考えです。
そもそも、因果や因縁(いんねん)、縁起(えんぎ)は、仏教からの言葉です。
因果の追究
因果の追究には、「条件」、「縁」を併せて思考する必要があります。
単純な因果関係もあれば、複雑な因果関係もあるからです。
何かしらの事象、事件、出来事が起きるのも、病気になるのも、「条件」、「縁」が関係しています。
マクロ、ミクロに、世界は、すべて、つながっています。
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