省略という書き方を理解すれば、文章力がアップする
省略することで、強調効果が生まれる
省略には、強調効果があります。
しかし、その書き方を理解していなければ、その効果も生まれません。
省略には、いくつか、書き方があります。
ここでは、そのうちの一つを説明しましょう。
省略する言葉は重要な言葉
省略とは、書かないことですね。
その書かないものとは何でしょう。
それは、重要な言葉です。
あるいは、重要でないものだから省略する、という感覚を持っている人もいるでしょうか。
たしかに、何かの催(もよお)しなどで、時間がなくなってしまったから省略しましょう、なんていった場合、そこで省略されるのは、大概、重要ではないものですね。
しかし、文章においては、そうではありません。
重要な言葉、キーワードが省略されるんです。
「バラ」は、「バラ」という言葉では説明できない
文章は、何かについて書くわけですね。
その何かを、「バラ」としてみましょう。
文章は、「バラ」ついて、あれこれと説明することになります。
その場合、説明に使われる言葉は、「バラ」ではない言葉です。
トゲとか、赤とか、黄色とか、花とかいった言葉です。
「バラ」を説明するには、「バラ」という言葉は使いません。
うまい書き方であればあるほど、その書き方になります。
しかし、その文章中には、「バラ」の意味がしっかりと生きています。
ここに、省略という書き方の根本(こんぽん)があります。
意図を持った省略の書き方
重要な言葉だから、省略できるんです。
重要な言葉だから、省略されるんです。
意図を持って、省略の書き方ができれば、強調効果が生まれます。
重要な言葉を使うのは、ここぞというところだけ
では、どのように書けば、省略の強調効果が生まれるのか。
ここぞ、という箇所でのみ、「重要な言葉」を使うんです。
他では書かない。
筆の立つ人間であれば、「重要な言葉」は、最初と最後しか記しません。あとはすべて省略します。
そこまでの書き方ができなくても、「重要な言葉」はできるだけ書かない、という意識を持って書くことで、仕上がりは大きく違ってくるでしょう。
AIは、省略を読めない
この「省略」という書き方は、筆の立つ人の書き方です。
しかし、この書き方をした文章を、AIは読みこなせません。
つまり、今回の「省略」という書き方は、ブログ、サイトでの書き方では、ありません。
ブログ、サイトは、コンピュータプログラムの要求に従うしかない書き方で、それは、キーワードを省略しない書き方です。
だから、私も、このサイトで書く際には、省略の書き方はせず、キーワードをくり返し使っています。
しかしながら、AIに従った書き方をしていると、書く力が身につくことはありません。
知らぬ間に、AIに生かされることになります。
それでは困ります。
人間は、自身で思考を磨かなければなりません。
言葉を扱う力が、思考の力となります。
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