客観的で論理的な読み方は観察から始まる

(「大人の読む力」、「雪国」川端康成のページの最終部を、どうぞご確認ください。)

 省略という書き方をしている冒頭文 …… 「雪国」

 読み手が省略されている言葉に気づかなかったり、気づいても、省略されている言葉を補えなかったりしたら、どうでしょう。

 省略の書き方をしている文章の本来持っている力は半減するどころか、なくなってしまいます。別な文章になってしまいますから。

書き手は、完成を読み手にゆだねる

省略は、読み手に気づいてもらえなければ、それまでです。

その効果が発揮されることはありません。

そもそも、書き手というものは、文章の完成を、読み手にゆだねているわけです。

省略にしても、倒置にしても、くり返しにしても、比喩にしても、読み手がそれに気づいて初めてその意味となります。

名文を読んで感動できるかどうかは、まったくもって読み手の力による。

名文を味わうためにも、それを自身の思考の糧とするためにも、読む力を磨いていくべきですよね。

川端康成 「掌の小説」 

川端康成は多くの名作を残しましたが、通勤時間や就寝前などに読むのなら、掌編小説集である、「掌の小説」がおすすめです。

(掌編とは、短編よりも短い作品のことをいいます。)

短い時間で、川端康成を味わえ、充実した時間が得られます。

「掌の小説」は、新鮮で、生気あふれる文章です。

2021年3月6日「大人の『読む力』」の原形

Posted by 対崎正宏