原因・理由 書き方の違いは、印象の違いになる
印象の違いは、品詞の置き方の違い
前回の内容( 「から」「ので」の違い 原因・理由と因果関係 )を、少し掘り下げて、書き方の印象を確認してみましょう。
印象の違いは、品詞の置き方の違いです。
原因・理由を表す品詞
原因・理由の意味をつくっている言葉の順序を置きかえると、印象が変わります。
以下に記す①では、名詞+動詞、形容詞・形容動詞、(助動詞)による主語・述語 → 従属節が、原因・理由の意味をつくっています。
②では、(動詞、形容詞・形容動詞、助詞、助動詞+)名詞 → 修飾節が、原因・理由の意味をつくっています。
①は、口語的な印象、やさしい調子の書き方になります。
②は、報道的な印象、硬い印象の書き方になります。
① 従属節の主語・述語が原因・理由
※ スマホは、横向きにしてご覧ください
話し言葉のような印象、やさしい調子の書き方
従属節 主節
主語 述語 主語 述語
↓ ↓ ↓ ↓
名詞 動詞 原因・理由 ↓ ↓
↓ ↓ ↓ ↓
━━ が 動作・作用・存在 て ~ が …… 。
(こと) で ~は ……。
形式名詞
従属節 主節
主語 述語 主語 述語
↓ ↓ ↓ ↓
名詞 形容詞・形容動詞 原因・理由 ↓ ↓
↓ ↓ ↓ ↓
━━ が 性質・状態 ため ~ は …… 。
(た)
(助動詞)
① 例文
〇 温暖化が長引いて、野生種は滅んだ。 (「長引い」=動詞)
〇 温暖化が続いたため、人類は地球を離れた。 (「続い」=動詞・「た」=助動詞)
〇 温暖化が続いたことで、A国は計画停電となった。(「た」=助動詞 「こと」=形式名詞)
〇 温暖化がひどくて、台風は大型化する一方だ。 (「ひどく」=形容詞)
② 修飾節が原因・理由
※ スマホは、横向きにしてご覧ください
レポート的、報道的な印象、硬い印象の書き方
修飾節
修飾語 被修飾語
動詞・形容詞・形容動詞
助詞、助動詞 名詞・形式名詞「こと」 原因・理由 主語・述語
動作・作用・存在、性質・状態 事物の名 で ~が…… 。
こと のため ~は…… 。
に・により・によって ~は…… 。
② 例文
〇 長引く温暖化で、四季がなくなった。 (「長引く」=動詞 「温暖化」=名詞)
〇 続く温暖化で、漁獲高にも影響がでている。 (「続く」=動詞)
〇 ひどい温暖化のため、北極の海氷が解けている。 (「ひどい」=形容詞)
〇 長引く温暖化に、地球は悲鳴をあげていた。
〇 温暖化によって、激甚災害が引き起こされた。
原因・理由の助詞・助動詞の例
で
〇 祇園祭で、街が大変な賑わいを見せている。
に
〇 彼の度重なるミスに、私は閉口してしまった。
による
〇 我々の事業の成功は、彼の多大な貢献による。
により
〇 悪天候により、競技大会は中止となった。
・のため・から
〇 店の粋な計らいによって、二人は結ばれた。
〇 バーゲンセールのため、店内は大混雑だった。
〇 山頂に立ったから、海を見ることができた。
〇 ゼンマイを交換して、機械時計はよみがえった。
ので
原因が、客観的判断からの際に使用
+のイメージの原因にも、-のイメージの原因にも使用可能
〇 患者の血圧が100を切ったので、ICUに運んだ。
せい → せいで・せいだ・のせいで・のせいだ
原因が、主観的判断からでも、客観的判断からでも使用可能
-のイメージの原因の際に使用
〇 私の理解が足りなかったせいで、彼女を傷つけてしまった。
〇 彼らの失敗は、社会というものを知らなかったせいだ。
〇 あいつのせいで、彼の作品は台無しだ。