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文章力 読解力 論理的な書き方と読み方の理解

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著作「ついざき式 本当の読解力を身につける50の方法」(KADOKAWA)からの紹介記事になります。

※本サイト用に、少し手を加えています。

「部分」と「全体」という捉え方

 何日も努力してあなたが完成させたジグソーパズルを思い浮かべてください。知らぬ間に、1ピースが抜(ぬ)き取られていました。たった1ピースです。しかし、これをあなたは完成品とは言わないでしょう。

 文章も、この考え方をします。「部分」が壊(こわ)れれば、それは「全体」が壊れることで、文中の一語でも抜いてしまったり、変えてしまったりしたら、それは元の完成した文章とは違う、壊れた文章ということです。「同じ」と「似ている」は違うんです。

 完成している文章中の一つの言葉をわざと変えて、それをさがさせる問題、抜き出した一文を元に戻(もど)させる問題、並べ替えたいくつかの文を元に戻させる問題、こういった問題は、すべて、元の文章を「完成品」として認(みと)めているからこそ成り立つ問題です。

「全体」が完成していれば、それは「部分」が完成していることです。入試問題等で出題される文章は「全体」が完成している文章です。これは、「部分」も完成しているということです。それで、小問だけを解説しただけの参考書も成り立つんです。しかし、入試問題は、文章「全体」と「部分」の両方から成り立っています。「部分」だけを学習していては、見えないものがたくさんあります。「全体と部分」の学習が大切です。

 ジグソーパズルの完成品が、文章「全体」で、1ピースは、見方によっては、一字とも、一語とも、一文とも、一段落とも見ることが可能です。どの見方でも、1ピースは、「全体」に対しての「部分」になりますね。「マクロとミクロ」、そして「関係性」がここでも関わっているのがわかるでしょう。

 一つの文章「全体」は、最も大きな「マクロ」です。それに対しては、一字も、一語も、一文も、一段落も、みな「ミクロ」で、「部分」です。

 さらに別な角度からも、「全体」と「部分」を確認しておきましょう。

 一文を「全体」とすれば、一字、一語は「部分」です。いくつかの段落を「全体」として見たら、その中に含(ふく)まれている一つの段落は、「部分」です。「一つの意味段落」と「文章全体」、「一つの設問」と「他のすべての設問」、それぞれ「部分」と「全体」になります。「部分と全体」には、「ミクロとマクロの関係性」が生きています。

「関係性」を、いろいろな角度からの「マクロとミクロ」で見ることが、一面的な見方ではない多面的な、多方向からの見方につながります。この見方ができるようになれば、「文字」の見落とし、「内容」の見落としがなくなります。

意味を秘めている言葉=言いたいことを秘めた言葉、それが「キー(ワード)」

※ スマホを横向きにしてご覧ください 

下の文章は三つの意味段落から成り立っています。スミアミをかけた「位置」が「ポイント」です。

① ……AB………。……………………。………………。……。

  ……、……、………………。…………、……………………。

 ……、……、……。…………。……、AB……

② …………。…………。…………。…………。………………。

 ……。………………。………………………。

  ……………………。…………。………………………………。

 …………。………………。……。………………

③ ………AB………。……………………。……………………。

 ………………。…………。…………。……。………………。

「AB」が、この文章の書き手の言いたい「内容」を秘(ひ)めている「言葉」です。

 これを「ついざき式 本当の読解力を身につける50の方法」では「キー」と呼んで説明しています。(※「意味を秘めている言葉」=「言いたいことを秘めた言葉」=「キーワード」=「キー」です。)

 この「キー」=「AB」は、もちろん、辞書に載(の)っている「言葉」です。だから、読み手は、少なくとも、辞書に載っている「AB」の「意味」はわかります。しかし、この文章中の「AB」は、書き手独特の「意味」を持った「言葉」です。書き手が見出(みいだ)した独特な「意味」「内容」を生みだしていきます。

 新しい「意味」「内容」を生みだすとは、「キー」である言葉が、他の多くの「言葉」と新しい「関係性」を持つ、新しい「バランス関係」をとる、ということです。

 それが「形」となったものが「文」であり、「文章」です。

「ミクロとマクロの関係」も見えますね。

「キー」は、文章中、最も小さな「ミクロ」なんです。これに対して、「ポイント」も、「文章」も、「マクロ」の「関係」をとります。

 書き手は、自分の考え・思いを、読み手に理解してもらえるように、いくつかの段階を踏(ふ)んで説明します。具体的な例を出したり、たとえたり、いろいろな角度からわかりやすく説明するんです。

 上の図では、「……」が、具体例・説明「部分」、具体例・説明「位置」になります。上の図の文章は、三段階の「形」で、具体例をあげて説明しています。段階は、「ポイント」の数で決まります。これが意味段落の数になります。

 上の図で、スミアミをかけた「位置」が、「ポイント位置」、「ポイント部分」です。「具体例」との「関係」、「バランス」を保ち、意味段落は構成(こうせい)されます。

内容紹介 → ついざき式 本当の読解力を身につける50の方法(KADOKAWA)