竹取物語 現代語訳 原文 品詞分解
竹取物語
「竹取物語」は、平安時代初期、9世紀末から10世紀初頭にかけてつくられた日本最古の物語です。
「源氏物語」の中に「物語の出で来はじめの祖なる竹取の翁」とあることから、「竹取物語」は「物語の出で来はじめの祖」といわれます。
主人公は「かぐや姫」。
作者は不明です。
竹取物語 原文と現代語訳
今は昔、竹取の翁(おきな)といふ者ありけり。
今となってはもう昔のことだが、竹取の翁(おきな)といういう者がいた。
野山にまじりて竹を取りつつ、よろづのことに使ひけり。
(毎日)野や山に入って竹を取っては、(それを)いろいろなことに使った。
名をば、さかきの造(みやつこ)となむいひける。
(その翁の)名は、さかきの造(みやつこ)といった。
その竹の中に、もと光る竹なむ一筋ありける。
(ある日)その竹の中に、根本が光る竹が一本あった。
あやしがりて、寄りて見るに、筒(つつ)の中(なか)光りたり。
不思議に思って、(その竹に)近づいて見ると、竹の筒の中が光っている。
竹取物語 原文
今は昔、竹取の翁(おきな)といふ者ありけり。
野山にまじりて竹を取りつつ、よろづのことに使ひけり。
名をば、さかきの造(みやつこ)となむいひける。
その竹の中に、もと光る竹なむ一筋ありける。
あやしがりて、寄りて見るに、筒(つつ)の中(なか)光りたり。
竹取物語 品詞分解
今は昔、竹取の翁(おきな)といふ者ありけり。
今 → 名詞
は → 係助詞
昔 → 名詞
竹取の翁 → 名詞
と → 格助詞
いふ → 動詞・ハ行四段活用・連体形
者 → 名詞
あり → 動詞・ラ行変格活用・連用形
けり → 助動詞・過去・終止形
野山にまじりて、竹を取りつつ、よろづのことに使ひけり。
野山 → 名詞
に → 格助詞
まじり → 動詞・ラ行四段活用・連用形
て → 接続助詞
竹 → 名詞
を → 格助詞
取り → 動詞・ラ行四段活用・連用形
つつ → 接続助詞
よろづ → 名詞
の → 格助詞
こと → 名詞
に → 格助詞
使ひ → 動詞・ハ行四段活用・連用形
けり → 助動詞・過去・終止形
名をば、さかきの造(みやつこ)となむいひける。
名 → 名詞
を → 格助詞
ば → 係助詞
さかきの造 → 名詞
と → 格助詞
なむ → 係助詞
いひ → 動詞・ハ行四段活用・連用形
ける → 助動詞・過去・連体形
その竹の中に、もと光る竹なむ一筋ありける。
そ → 名詞
の → 格助詞
竹 → 名詞
の → 格助詞
中 → 名詞
に → 格助詞
もと → 名詞
光る → 動詞・ラ行四段活用・連体形
竹 → 名詞
なむ → 係助詞
あり → 動詞・ラ行変格活用・連用形
ける → 助動詞・過去・連体形
あやしがりて、寄りて見るに、筒(つつ)の中(なか)光りたり。
あやしがり → 動詞・ラ行四段活用・連用形
て → 接続助詞
寄り → 動詞・ラ行四段活用・連用形
て → 接続助詞
見る → 動詞・マ行上一段活用・連体形
に → 接続助詞
筒 → 名詞
の → 格助詞
中 → 名詞
光り → 動詞・ラ行四段活用・連用形
たり → 助動詞・存続・終止形
語句
○「竹取の翁(おきな)」→ 固有名詞として、一品詞。
○「さかきの造」 → 固有名詞として、一品詞
※「さぬきの造」としている写しもあり。
○「見る」 → 「動詞・マ行上一段活用」です。
「見る」の活用
未然形 → み
連用形 → み
終止形 → みる
連体形 → みる
已然形 → みれ
命令形 → みよ
上一段活用
「上一段活用」の動詞は、「イ段」のみに活用。
未然形 → i
連用形 → i
終止形 → i る
連体形 → i る
已然形 → i れ
命令形 → i よ
上一段活用の動詞
上一段活用の動詞は次のようなものになります。
きる(着る)
みる(見る・試みる・顧【かへり】みる・鑑【かんが】みる・惟【おもん】みる)
にる(似る・煮る)
いる(射る・鋳る)
ゐる(居る・率る・率【ひき】ゐる・用ゐる)
ひる(干る)
上一段、「き・み・に・い・ゐ・ひ」と覚えてしまいましょう。(「君にいゐ日」などとイメージしてね。)