会話の中の省略と文章中の省略
会話の中での省略
会話の場合の省略は、暗黙の了解のようなところが多分にあります。
旧知の間柄であったり、当事者間に共通の認識があったりして、会話の中の省略は成り立ちます。
とある会社の廊下での、第二業務開発部の部長Aさんと、宣伝部宣伝企画室のBさんの会話を聞いてみましょう。
A 「きみ、本当に、大丈夫なんだろうね」
B 「はい。たぶん、大丈夫です」
A 「たぶんじゃ困るよ」
A 「あ、はい。大丈夫です。頑張ります」
何かのプロジェクトの話でしょうか。よくわかりません。
テーマが示されていないからです。
また、状況説明も、話の背景も記されていないため、Aさん、Bさん以外には、ちんぷんかんぷんです。
実は、AさんとBさん、今週末のゴルフについて話していました。
Aさんは、社内の親しい友人や直属の部下と一緒に、今週末、ゴルフに行くことになっていました。しかし、そのその内の一人が急用で参加できなくなり、その代わりにBさんが行くことになったのでした。
会話には省略がつきものです。
だから、コミュニケーションの際に問題になることが多々あるんですね。
文章中の省略
では、文章の中での省略についてです。
文章中の省略は、会話のそれとはやや異なります。
なにしろ、読む者みなに通じる書き方でなければいけない。そもそも、読む者に通じない書き方を省略とはいいません。
共通の認識がなければ、省略はできない
文章中の省略には、書き手と読み手に共通の認識がなければいけないのです。
だから、省略する場合、基本的に、難しい書き方はしません。何が省略されているかが、誰でもわかる書き方を基本的にします。
意味の成立とは、主語と述語の意味がそろうこと
わかるとは、意味がわかるということです。
意味がわかるということは、意味が成立していることがわかるということです。
意味の成立とは、これまでも記してきているように、主語と述語の意味がそろうということです。
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