倒置法とは 例文でやさしく解説 省略法との区別  

レトリック

レトリック(修辞法)には、様様なものがあります。

あるいは、表現技法などといったほうが、馴染み深いかもしれません。

省略法、頓呼法、体言止め、直喩、隠喩、諷喩、換喩、擬人法、等等。

今回は、そんなレトリック(表現技法)の中から、一つ、やさしく解説します。

倒置法です。

称(たた)えよう

彼女を

 上の例が、普通の書き方と違っていることは、倒置法という言葉を知らない人でもわかりますよね。

 いわゆる普通の書き方とは違う書き方が、レトリックです。

 特別な書き方になりますから、目立ちます。

 強調効果があるんです。

倒置法という書き方

倒置法の書き方を確認してみましょう。

称えよう

彼女を

「称(たた)えよう」とは、何を「称えよう」なのか? 

「彼女を」ですね。

 続けていえば、「彼女を称えよう」となって、修飾、被修飾の関係が成立します。

「彼女を 称えよう」が通常の書き方です。

 それを、例文は「称えよう 彼女を」というように、ひっくり返した書き方をしています。

 倒置(法)です。

 レトリック、特別な書き方で、表現技法の一つです。

 倒置(法)は、被修飾語を際立たせて、まさに見せる書き方になります。余韻を残しもします。

倒置法の強調効果

 他とは違う、普通とは違う、という書き方をすれば、目立ちますね。

 自(おの)ずとそこには強調効果が生まれるんです。

 普通とは違う書き方をしていたら、何かを強調している、と見るようにしましょう。

 そして、何を強調しているのかを確認するようにしましょう。

 倒置法は、被修飾語を際立たせ、修飾語で余韻を残します。

 例文の倒置法では、「称えよう」を際立たせ、「彼女を」で余韻を残しています。

 言葉をやや変えていえば、「称えよう」が際立つので、「彼女を」で余韻が残るんです。

 倒置法の強調効果です。

倒置法の句読点の打ち方

次に、倒置法の例文を使って、句読点の打ち方を確認します。

例1

称えよう。

彼女を。

例1のように、句点を二箇所に打つこともできます。

例2

称えよう、

彼女を。

例2のように、句点は一つという形も可能です。 

二文にわたっての倒置

称えよう。彼女を。」と句点を二箇所に打てば、二文ということになります。

 しかし、この二文は被修飾語と修飾語という関係で意味がつながっていますから、一つのまとまった意味と見ることができます。

 そうすると、これは、二文にわたっての倒置(法)ということになります。

一文の中での倒置

 また、「称えよう、彼女を。」と一箇所だけに句点を打てば、一文ということになります。

 そうすると、これは、一文の中での倒置(法)ということになります。

倒置法と省略法との区別 

倒置法と省略法を混同しないようにしましょう。

上の例文で、倒置法で強調されている語(被修飾語)は記されていましたね。

倒置法は、語が省略されません。

それに対して、省略法は、語が省略されるんです。

強調される語が、省略されるのが省略法です。

省略法の例

夏は暑い。

冬は。

上の省略法の例文では、「寒い」が省略されています。

省略の語が「寒い」とわかるのは、前文に「夏は暑い」が記されているからです。

省略されている語がわかる、この書き方が「省略法」です。

上の省略法の例文で強調されているのは、「寒い」という語です。

強調する語を書かないのが、省略法なのです。

書かないことによって、強調できるのが省略法です。

倒置法と省略法を混同している人や本が、かなりの数で存在しています。注意しましょう。

レトリック(表現技法)と句読点

 特に、詩歌ではレトリック(表現技法)が多く使われますね。

 文字数が少ないなかで表現していくために、いろいろなレトリック(表現技法)が使われるんです。

 文が存在し、そこの句読点をおさえる、ということは、意味を意識し、形を意識するということです。

 読む際にも、書く際にも、句読点への意識は大きな効果を生みます。

 一語の意味、そして、意味のまとまりを大切にすることができます。